1993 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍増殖因子(TGFbeta)で誘導される新規遺伝子の細胞増殖における機能の解析
Project/Area Number |
05454572
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
野瀬 清 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 教授 (70012747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 助手 (60245876)
荒田 悟 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 助手 (20159502)
真下 順一 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 助手 (60054045)
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Keywords | TGF-beta / cDNA / フオリスタチン |
Research Abstract |
TGFbetaで誘導される遺伝子として、マウス骨芽細胞から分離したcDNAクローンの一つ(TSC-36)の発現様式および遺伝子産物の解析を行った。第一に、TSC-36mRNAの発現パターンをマウス各種臓器で検討したところ、心臓、肺で高い発現が見られたが、腎臓、筋肉での発現はほとんど見られず、TSC-36遺伝子発現は臓器特異製があることが明らかとなった。また、マウス繊維芽細胞を各種の癌遺伝子で形質転換した細胞での発現を見たが、正常細胞と較べras,myc,で癌化した細胞ではTSC-36mRNAの発現がほとんど消失していたのに対し、abl,src,raf,T-Agで癌化した細胞では正常細胞と変わらない発現を示した。これらの結果は、TSC-36が細胞形質に対して何らかの調節的機能を持っていることを示唆している。 第二に、cDNAから予想されるアミノ酸配列を基に合成したペプチドを用いて、抗体を作製し、TSC-36蛋白質の性質を解析した。この蛋白質はTGFbeta処理により、細胞から培地へ分泌され、その分子量は予想されるペプチドの分子量36kDaよりも若干大きい42kDaであった。従って、TSC-36蛋白質はグリコシル化などの修飾を受けていることが考えられる。非変成ゲルのウエスタン ブロット法では、TSC-36蛋白質は予想分子量よりはるかに遅い易動度を示し、培地中で何らかの因子と複合体を形成していると考えられる。現在この複合体の分析を行っている。
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[Publications] Shibanuma,M.et al.: "Cloning from a mouse osteoblastic cell line of a set of TGFbeta-regulated genes,one of which seems to enade a follistutin-related polypepti" Eur.J.Biochem.217. 13-19 (1993)
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[Publications] Koike,M.et al: "Commen target for TPA and ras in the transaiptienal enhanar of the grewth factor-inducihle JE gene." Mol.Carcinogenesis. 8. 105-111 (1993)
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[Publications] Nose,K.&Shibanuma,M.: "Induction of eavly response genes by hypirfravity in cultured mouse estecblastic cells(MC3T3 E1)" Exptl.Cpll Res. (in press). (1994)