1993 Fiscal Year Annual Research Report
塩基非特異的リボヌクレアーゼの触媒機構・塩基認識機構の解析
Project/Area Number |
05454574
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
入江 昌親 星薬科大学, 薬学部, 教授 (70061265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (00012675)
岩間 正典 星薬科大学, 薬学部, 助手 (50130753)
扇 和子 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (90061291)
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Keywords | リボヌクレアーゼ / 触媒機構 / 塩基認識機構 / 遺伝子工学 / 塩基非特異的リボヌクレアーゼ / X線結晶解析 |
Research Abstract |
1.粘菌の塩基非特異的リボヌクレアーゼ(RNase )の構造解析を終了し、この酵素のN-末端付近の構造が真菌類と異なり、植物の同種酵素と高いホモロジーを示すことを明らかにした。またこの酵素は塩基非特異的であるがRNAを分解するとき、グアニル酸を最も速やかに遊離する特性を示し、真菌の酵素がアデニル酸を最も速く遊離するのと異なっている。この酵素では真菌の酵素の塩基認識部位のAsp51がGluに変化しており、この置換が塩基特異性を支配していることを示した。ニワトリの塩基非特異的RNaseについては目下その構造を解析中である。なお、従来動物において酸性RNaseとして知られている酵素についてもそのかなりの構造の解析が進み、これらの酵素がRNase T2ファミリーの酵素であることが明らかとなったが、N-末端構造は植物、粘菌などの酵素のものとかなり変化している。これらの酵素の塩基認識部位と塩基特異性の関係は検討中である。 2.塩基認識部位については上述の研究によってAsp51を有するものがアデニル酸優先的、Ser、Gluに置換したものはグアニル酸優先的となることが示されており、現在Asp→Ser,Gluの改変体の作成中で近く特異性の上記仮説を確認する予定である。 3.植物由来の酵素と真菌由来の酵素はホモロジーがかなりあるが、立体構造上かなりの相違が予想し得るので、X線結晶解析用サンプルを確保するため、トマト由来のcDNAをシャトルベタクーにつなぎ酵母中で発現しつつある。 4.酵母から発現したRNase Rhの基質アナログとの複合体のX線結晶解析を行い、2′-AMPとの複合体において活性中心を構成する3個のHis Glu等のヌクレオチドの結合位置が従来改変体の解析によって予想していたものと一致することを見いだした。現在dinucleosidephosphateとの結合体の解析を試みつつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Inokuchi,N.: "Purification,some properties,and primary structure of base non-specific ribonuclease from physarum polycephalum." Journal of Biochemistry. 113. 425-432 (1993)
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[Publications] Irie,M.: "pH-profile of kinetic constants of RNase Rh from Rhizopus niveus & it′s mutant enzymes towards UpU & possible mechanism of RNase Rh." Jouranl of Biochemistry. 116(掲載予定). (1994)