1993 Fiscal Year Annual Research Report
ジーンターゲティング法で作製した変異マウスによる遺伝病の発症機構の解析
Project/Area Number |
05454579
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
前田 秀一郎 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10117244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 芳家 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (70037274)
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Keywords | アミロイドーシス / トランスサイレチン(プレアルブミン) / 疾患モデルマウス / 家族性アミロイドポリニューロパチー / ジーンターゲティング / 胚幹細胞 / 遺伝性疾患 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
1.家族性アミロイドポリニューロパチーの病因であるヒト変異トランスサイレチン(ttr)遺伝子を運ぶFAPのトランスジェニックマウスモデルと胚幹(ES)細胞でのジーンターゲティング法を用いて作製した無TTRマウスとの交配により、マウス正常TTRを完全に欠損し、ヒト異型TTRのみを産生するマウス株を確立した。これらマウスの雌雄それぞれ3匹につき、月齢を追って、アミロイドの沈着を調べた。対照として、正常TTRをもち、ヒト異型TTRも産生するマウスを同様に調べた。ヒト異型TTRのみを産生するマウスでは、月齢11カ月頃から6匹中、4匹に食道、大腿骨を中心にアミロイドが沈着し始めていた。一方、正常TTRとヒト異型TTRとを産生する同月齢の対照マウスでは、6匹中、1匹で食道にのみ、アミロイドが沈着していた。月齢14カ月では、ヒト異型TTRのみを産生するマウス4匹、対照マウス2匹にアミロイドの沈着を認め、いずれのマウスでも月齢11カ月に比し、沈着臓器の拡大と沈着程度の増大傾向が認められた。TTRは、同一のモノマーからなるテトラマーとして血中に存在する。ヒト異型TTRのみを産生するマウスでは、ヒト異型TTRからなるホモテトラマーのみが存在し、対照マウスでは、マウス正常TTRとヒト異型TTRとからなるヘテロテトラマーが形成される。今後さらに月齢を追って比較解析を続ける必要があるが、上記の結果は、異型TTRのみからなるホモテトラマーが主にアミロイドを形成して沈着することを示唆すると考えられる。 2.ES細胞の由来した129/Sv//Evマウスの遺伝子ライブラリーより単離した血清アミロイドP成分(sap)遺伝子領域を用いて、sap遺伝子への挿入変異導入用のベクターを作製し、ES細胞に導入した。こうして得たG418及びFIAUに耐性の約120個の細胞の各々からDNAを抽出し、DNAポリメラーゼ増幅法で調べたが、未だsap遺伝子への挿入変異の導入には成功していない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Episkopou,V.et al.: "Disruption of the Transthyretin Gene Results in Mice with Depressed Levels of Plasma Retinol and Thyroid Hormone." Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90. 2375-2379 (1993)
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[Publications] Yamamura,K.et al.: "Transgenic Mouse Model for Human Genetic Diseases." Mol.Repro.Develop.36. 248-250 (1993)
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[Publications] Horie,K.et al.: "Structures of Replacement Vectors for Efficient Gene Targeting." J.Biochem.(in press).