1994 Fiscal Year Annual Research Report
3型プロスタノイドの超微量定量法の確立と疾患時における生理的意義の解明
Project/Area Number |
05454580
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菱沼 隆則 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20199003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水柿 道直 東北大学, 医学部・附属病院, 教授 (60004595)
|
Keywords | エイコサペンタエン酸 / 3型プロスタグランジン / 11-dehydro-TXB_3 / 6,15-diketo-13,14-dihydro-PGF_<1α> / GC / MS / GC / SIM |
Research Abstract |
エイコサペンタエン酸(EPA)は生体内で種々の3型プロスタノイドに変換されるが、生産量が極微量で、かつ不安定であるため、生理的意義の定量的な解析は困難であった。そこでEPAの生理的意義の解明を目的として、トロンボキサンA_3(TXA_3)の指標として有用な尿中安定代謝産物11-デヒドロ-TXB_3の、GC/SIM法による定量法の確立を行った。また、プロスタサイクリン(PGI_2)の代謝産物6,15-diketo-13,14-dihydro-PGF_<1α>(DK)の定量法を同様に確立し、さらに3型プロスタサイクリンの精製濃縮に応用するため抗DKモノクローナル抗体を作製した。 1)11-デヒドロ-TXB_3の定量法の確立 11-デヒドロ-TXB_3及び新規に調製した[^<18>O]11-デヒドロ-TXB_3のメチルエステル(ME)-プロピルアミド(PA)-ジメチルイソプロピルシリルイミダゾール(DMIPS)エーテル誘導体は、GC/MSにおいて[M-43]^+イオンを基準ピークとして与えた。同イオンをモニタリングイオンとしてGC/SIMを実施するとき、10pg〜100ngの範囲で濃度とピーク面積の間に良好な直線性が認められた。また、尿試料中からの11-デヒドロ-TXB_3の精製法にシリカゲルカラムを導入し、尿中11-デヒドロ-TXB_3の測定を可能とした。健常人尿中の11-デヒドロ-TXB_3含量は、2型の11-デヒドロ-TXB_2の1〜10%程度であった。またEPAの摂取により有意に増加した。 2)6,15-diketo-13,14-dihydro-PGF_<1α>の定量法の確立とモノクローナル抗体の作製 DK及び新規に調製した[^<18>O]DKのME-メチルオキシム(MO)-ジメチルイソプロピルシリルイミダゾール(DMIPS)エーテル誘導体の[M-43]^+イオンををモニタリングイオンとしてGC/SIMを実施するとき、10pg〜100ngの範囲で濃度とピーク面積の間に良好な直線性が認められた。健常人尿中のDK含量は、PGI_2の代謝産物2,3-dinor-6-keto-PGF_<1α>の1〜5%程度であった。同化合物及び対応する3型化合物の精製を目的として、モノクローナル抗体の作製を行い、反応性に優れる1D9抗体の作製に成功した。同抗体の抗体カラムはDK標品と強い反応性を有することから、GC/SIMの前処理カラムとして有用であると考えられた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 菱沼隆則: "Microdetermination of the PGB_1 in human plasma by GC/SIM using[^<18>O]PGB_1 as an internal standard" Prostaglandins. in press. (1995)
-
[Publications] 水柿道直: "Microanalysis of 2,3-dinor-6-keto-PGF_<1α> in human urine using GC/HR-SIM" J.Chromatogr.658. 11-19 (1994)
-
[Publications] 石橋正兀: "Analysis of 11-dehydro-TXB_2 in human urine improved by use of GC/HR-SIM with ^<18>O_2-labelled annlogue as an internal standard." Biol.Mass.Spectrometr.23. 612-620 (1994)