1993 Fiscal Year Annual Research Report
在宅酸素療法患者の訪問看護の専門性と患者・医療者・供給企業の連携モデルの研究
Project/Area Number |
05454590
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
横手 芳恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80200905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 セイ 自治医科大学看護短期大学, 講師 (60194619)
嘉屋 優子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手
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Keywords | 在宅酸素療法 / ケアシステムモデル / 訪問看護 / 在宅ケア / システム分析 |
Research Abstract |
今年度前半は予定の訪問看護ステーションから、札幌市で最も多くの在宅酸素療法(以下HOT)患者の医療管理を行なっている幌南病院のケアシステムを研究対象とし、道内全域にシェアを広げているHOT機器業者との協力体制を築き、同時に調査計画を修正しながら調査対象と調査方法を明らかにしていった。 37名の入院病歴・外来診療記録・訪問看護記録等から患者の全体像を把握し、訪問面接調査の質問項目を検討した。内、11ケースについてHOT機器業者の定期点検に同行し、了解のもとで追加面接調査を行なった。調査データは既存のケアシステムの継続に生かせるように対象の了解を得て、医療機関にネットワークした。 病歴調査及び訪問面接調査は7月末から12月に渡り、病歴・現症状と治療・本人家族のHOTによる生活全般の状況・保健行動・医療機関・HOT業者との関係などを情報収集した。一方、栃木県自治医科大学で共同研究者と6回の研究会議を持ち、システム分析に多様な分析視点を導入できるようにした。 11ケースのケアシステムを分析した結果、共通のサブシステムとして4要素を抽出した。1HOT受益者、2家族、3HOT医療機関、4HOT業者で、ケースによっては行政による老人訪問事業サービス、家庭医とのケア体制を持つ場合など、サブシステムの拡大がみられた。さらに、サブシステムの内部構造を内容分析した結果、3層の階層が各要素にみられた。ケア提供のシステムである3.4は受益者との対応において、緊急対応・個別対応・マニュアル対応の3層構造があり、ケア需要システムである1.2はHOT健康管理の知識技術・HOT生活適応・生活欲求の3層である。次年度はこれらHOTケアシステムの構造について、ケースを重ねて信頼性を高め、モデルを明らかにしながらシステムネットワークを統合する訪問看護の専門性を追求する。
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