1993 Fiscal Year Annual Research Report
長時間運動による血漿エンドセリン濃度変動の生理的意義
Project/Area Number |
05454595
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 光生 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20110702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 卓 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60222329)
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Keywords | エンドセリン-1 / エンドセリン-3 / ノルエピネフリン / バゾプレッシン / 運動負荷 / 運動強度 / 水分摂取 |
Research Abstract |
本研究では、運動負荷による血漿エンドセリン濃度の変動を、運動強度、および水分摂取の有無に関連させて検討し、運動中の循環・水分調節におけるエンドセリンの生理的意義を明らかにしようとした。 本研究により以下のことが明らかになった。1)血漿のエンドセリン濃度、ノルエピネフリン濃度、およびバゾプレッシン濃度は運動負荷により有意に増加し、その増加は運動強度が大きいほど著しかった。2)時間的経過を対比すると、エンドセリン-3、ノルエピネフリン、およびバゾプレッシンは、ほぼ同時に変動したが、エンドセリン-1の変動は、これらに約30分遅れていた。3)高温環境下の長時間運動負荷による、血漿エンドセリン-1、およびバゾプレッシン濃度の増大が、水分摂取により抑制された。 培養内皮細胞による研究で、ノルエピネフリンおよびバゾプレッシンがエンドセリン-1の分泌を促すことが知られている。本研究の結果は、運動中の交感神経活動の増大、あるいはバゾプレッシン分泌増大が、エンドセリン-1の分泌を促す可能性と、エンドセリン-1の分泌が長時間の運動中における循環・水分調節に何等かの生理的意義を持っている可能性を示唆するものと考えられる。 これらの成果は学会(日本体力医学会、日本循環器学会)にて発表、ないし発表予定であり、また論文を投稿中である。今後、エンドセリン-3に関する検討も加え、さらに研究を進める予定である。
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