1993 Fiscal Year Annual Research Report
南西諸島におけるマングローブの消長と第四紀後氷期以降の気候変動
Project/Area Number |
05454604
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
黒田 登美雄 琉球大学, 教養部, 教授 (00205254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 智生 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80037233)
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Keywords | マングローブ林 / マングローブ沼生物群集 / データベース / マングローブ関連文献情報 / 種子島 / 大浦川 / 西表島 / 仲間川 |
Research Abstract |
本年度、マングローブ林およびマングローブ沼生物群集に関する文献調査ならびに、本邦産マングローブの北限として、種子島のマングローブ(メヒルギ)林および南限としての西表島のマングローブ林沼池の2箇所を選定し、現地調査を実施した、そして、ハンドボーラー等により採取した堆積物に関する検討を行い、以下のことが明らかとなったので報告する。 (1)データベースを作製するため、マングローブ関連文献情報の一部についてイメージスキャナーを利用したデータの入力方法に関する検討を行い、文献情報に関するデータ入力自動化の目処がついた。 (2)種子島の南種子町塩屋地区における大浦川、阿嶽川および黒甲川河口においてメヒルギの生態調査を行い、その分布範囲、分布密度等を明らかにした。 (3)種子島南種子町大浦川および阿嶽川河口域における連続した堆積物を採取(深度220 cm)し、底質分析を行った。 (4)採取した堆積物の底質分析の結果、本地域に分布するメヒルギ群落は、縄文海浸末期以後からその分布域の拡大を開始したことが明らかになった。 (5)西表島においてマングローブ林を構成する主要樹種(オヒルギ、メヒルギ、ヤマプシキ、サガリバナ等)に関する生態調査を行い、一部についてそれら樹種の花粉の採取を行った。 (6)マグローブ林が広く分布する西表島仲間川河口域においても種子島同様、ハンドボーラーによる予備調査を実施し、層厚約800 cmにも及ぶマングローブ泥沼起源の泥質堆積物を確認した。
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[Publications] 黒田登美雄: "花粉分析からみた南大東島の植生変遷" 天然記念物「大池のオヒルギ群落」-花粉分析および植生調査報告書-. 1-7 (1993)
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[Publications] 黒田登美雄: "九州・沖縄地域の植生変遷史II" 文明と環境. 11. 29-38 (1993)
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[Publications] 小澤智生: "メッセージ from 太古 -甦る古生物の遺伝子-" 化学工学. 58(4). 56-57 (1994)
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[Publications] 水谷伸治郎・小澤智生: "西南日本内帯の秋吉帯と美濃帯の中・古生代テクトニックス 日本の地質学100年" 日本地質学会編. 193-202 (1993)
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[Publications] 小澤智生・岡本健児: "古生物学的ならびに分子系統学的アプローチの統合による系統進化学の新しい展開 -腹足類を例として-" 月間地球. 5(9). (1993)
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[Publications] Kodama,K.,Takeuchi,T.and Ozawa,T.: "Clockwise tectonic rotation of Tertiary sedimentary basins in centiral Hokkaido northern Japan." Geology. 21. 431-434 (1993)