1994 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシン頭部内のフレキシブル領域の分布と筋収縮エネルギー変換機構への関わり
Project/Area Number |
05454617
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
平塚 寿章 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30041825)
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Keywords | 筋収縮 / ミオシン / フレキシブル領域 / エネルギー変換 |
Research Abstract |
筋肉は生物のもつ化学-力学エネルギー変換器で一種の生物エンジンと言っても良い。ミオシンは筋肉運動の原動力を担うタンパク質であるが、その頭部にはアデノシン-5′-三-リン酸(ATP)を結合して分解する酵素作用があり、この作用で得られる化学エネルギーを直接力学エネルギーに変換して筋肉を収縮させる。しかしながら、このエネルギー変換の分子機構については不明なことが多い。本研究では、ミオシン頭部内でアクチンやATPが結合すると構造変化が誘起されるフレキシブル領域の分布を探り、これらの領域で誘起される構造変化がどのようなタイプのものか、またそれがミオシンのモータータンパク質としての機能にどのように関わっているのか検討した。 ミオシン頭部(S-1)にある反応性の高いCys-707(SH1)に螢光試薬を標識して行った実験から、SH1周辺もフレキシブル領域の一つであることがわかった。さらにこの領域は、ミオシンがモータータンパク質として機能するための重要な情報を伝達するために必須な“通信経路"として機能していることも示唆された。 一方ATP結合ポケットに特異的に結合する螢光色素を使った実験から、ATP結合ポケット自信も非常にフレキシブルであることが明らかになった。この領域は本来揺らぎの大きな構造をとっているが、ATPを結合して加水分解している最中は揺らぎの小さい硬い構造をとることも示唆された。 今後の課題は、これらのフレキシブル領域で起きる構造変化が、どのようにしてより次元の高い筋肉の滑り力発生のための動きに連動してゆくかを別の方法を使って解明することである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toshiaki Hiratsuka: "Behavior of Cys-707(SH1)in Myosin Associated with ATP Hydrolysis Revealed with a Fluorescent Probe Linked Directly to the Sulfur Atom" Journal of Biological Chemistry. 268. 24742-24750 (1993)
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[Publications] 平塚寿章: "筋収縮モータータンパク質ミオシン -構造・機能関連の新展開-" 病態生理. 13. 731-739 (1994)
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[Publications] 平塚寿章: "生物活性物質にランプをつける" 現代化学. 283. 20-25 (1994)
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[Publications] Toshiaki Hiratsuka: "Nucleotide-Induced Closure of the ATP-binding Pocket in Myosin Subfragment-1" Journal of Biological Chemistry. 269. 27251-27257 (1994)
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[Publications] 平塚寿章: "螢光標識生物活性物質 -ライフサイエンス研究への新展開-" 蛋白質・核酸・酵素. 39. 2322-2334 (1994)
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[Publications] 平塚寿章: "ミオシンのATP結合ポケットの構造変化と筋収縮" 生物物理. 34(印刷中). (1995)