1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454633
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
徳永 史生 大阪大学, 理学部, 教授 (80025452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久富 修 大阪大学, 理学部, 助手 (60231544)
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Keywords | 視物質 / 視覚 / ロドプシン / 色覚 / キメラタンパク質 / 培養細胞での発現 / 翻訳後修飾 / 色 |
Research Abstract |
本研究では視物質のアミノ酸配列と機能との関連を知るために、数種の視物質のcDNAをクローン化し、それらを用いてウシ・ロドプシンを元にしたカセットキメラ法でキメラ視物質を作成し、その機能を解析をした。 1.カエルロドプシンと緑杆体視物質、メダカのロドプシンと4種の錐体視物質のcDNAをクローン化した。 2.培養細胞で発現させたウシ及びカエルロドプシン、ニワトリ赤視物質は生体から単離したものと同じ性質を示した。キンジョUV視物質は発現が検出出来なかった。メダカ青視物質は約450nmに吸収極大を持っていた。ウシロドプシンN2Qは500nmに吸収極大を持ち、複数の異なる長さの糖鎖による修飾を受けていた。N15QやE113Yは視物質の生成を検出出来なかった。ウシロドプシンC322・323Sは吸収極大波長、光反応性、NH_2OH耐性とも元のものと変わりなかったが、メタ中間体生成速度が速くなっていた。 3.ウシロドプシンの258番から295番のアミノ酸を、キンジョUV視物質、ニワトリの赤、青、緑視物質と入れ換えたものを発現させようとしたが、視物質は検出されなかった。次にウシ(B)とカワヤツメ(L)のキメラロドプシンを作成した。接続はウシロドプシンの257と258番及び295と296番の間で行った。BLB、LBL、LLBのいずれも吸収極大波長、光反応性、NH_2OH耐性は元のBBBと変わりなかった。 以上のように変異やキメラ視物質を培養細胞で発現させることが出来、その性質の一端が解析できた。しかし発現出来なかったものも多く、今後改良が必要である。吸収極大波長の大きさ移動やNH_2OHに対する感受性は数個の特定なアミノ酸残基によるのではなく、多くのアミノ酸残基の協同的相互作用によることが考えられ、今後この機構についてさらに検討していく。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Osamu Hisatomi: "Phylogenetic relationships among vertebrate visual pigments." Vision Research. 34. 3097-3102 (1994)
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[Publications] Osamu Hisatomi: "UV-sensitive pigment and its phylogenetic relationships among vertebrate visual pigments." Photomedicine Photobiology. (in press). (1995)
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[Publications] Takunari Satoh: "Visual pigment genes expressed in the killifish retina" Comparative Physiology and Biochemistry. 11. 251 (1994)
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[Publications] Seiya Kayada: "cDNA cloning and expression of frog rhodopsin." Comparative Biochemistry and Physiology. (in press). (1995)
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[Publications] 徳永史生: "感覚受容システム" 蛋白質核酸酵素. 38. 1180-1186 (1993)
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[Publications] 徳永史生: "視覚器-視興奮の分子機構と網膜再生" 生体の科学. 45. 62-70 (1994)
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[Publications] 徳永史生: "生体膜編" 共立出版, 424
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[Publications] 徳永史生: "眼科学大系10a" 中山書店, 250