1993 Fiscal Year Annual Research Report
人工膜小胞中での細胞骨格形成によるモデル細胞の構築
Project/Area Number |
05454637
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宝谷 紘一 名古屋大学, 理学部, 教授 (80025444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 知彦 名古屋大学, 理学部, 助手 (30183742)
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Keywords | 細胞骨格 / リポソーム / 微小管 / モデル細胞 / アクチン / 暗視野法 |
Research Abstract |
細胞活動の分子機構を探るための手段として、人工膜小胞内部に細胞骨格ネットワークを再構築させて、モデル細胞を創製することを目的とした。これを明らかにするために、膜小胞中で細胞骨格を再構成させる系を確立した。 研究課題(1) 細胞骨格と膜を結合させる膜タンパク質群の働き方。 これを明らかにするために、まず細胞骨格と結合する膜タンパク質を探索した。表在性膜タンパク質の場合には、チューブリン調製の際に得られるウシ脳の膜分画をEDTA超音波処理して可溶化した。それにTaxolで安定化した微小管を加え、結合するタンパク質を微小管と共に超遠心で分画し、SDS-PAGEによって同定した。その結果、微小管と結合する数本のバンドを得た。膜小胞形成の際にこの膜タンパク質を共存させ、膜小胞に結合させた後、微小管を成長させて、小胞の形態変化を解析した。一方、内在性膜タンパク質の場合には、種々の界面活性剤によって膜タンパク質の可溶化を試みている。可溶化し、界面活性剤を除き、人工脂質と混合させた後乾燥させ、膜小胞の材料とした。現在、微小管との相互作用を研究中である。 研究課題(2) 膜小胞中でのすべり運動の試み。 アクチンのような柔軟な繊維をリポソームのような微小空間中で形成させると、束化タンパク質非存在下でも自己組織的に繊維束が形成され、その束は十分に固く膜を変形させ得ることが解かっている。現在、アクチンにくわえてミオシンIおよびミオシンIIを小胞内に閉じ込めることに成功した所である。この系にCaged-ATPを共存させ、その後に光照射によりATPを生成させて、小胞の形態変化を観測することを進めている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Miyata et al.: "Morpholgical Changes of Liposomes Caused by Polymerization of Encapsulated Actin and Spontaneous Formation of Actin Bundles." Proc.Natl.Acd.Sci.USA. 89. 11547-11551 (1992)
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[Publications] H.Hotani et al.: "Microtubule Dynamics,Liposomes and Artificial Cells:in vitro Obervation and Cellular Automata Simulation of Microtubule Assembly/Disassembly and Membrane Morphogenesis." Nanobiology. 1. 61-74 (1992)
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[Publications] M.Murata et al.: "Interaction of the Golgi Membranes Isolated from Rabbit Liver with Microtubules in vitro." Biol.Cell. 75. 127-134 (1992)
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[Publications] M.Washizu et al.: "Orientation and Transformation of Flagella in Electrostatic Field." IEEE Trans.Indust.Appl.28. 1194-1202 (1992)
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[Publications] M.Seville et al.: "The Effect of Sugars on the Morphlogy of the Bacterial Flagellum." FEBS Letters.332. 260-262 (1993)
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[Publications] T.J.Itoh et al.: "Transition from the Depolymerization phase to the Plymerization Phase in Dynamic Instability Requires Binding of MAPs on Microtubules." Cell Struc.Func.(発表中). (1994)
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[Publications] 佐藤英美 編: "細胞生物学" 放送大学教育振興会出版, 165 (1994)
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[Publications] 精密工学会 監修: "精密制御用ニューアクチュエーター便覧" フジ・テクノシステム, 980 (1994)