1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミン・ニューロン2学習,記憶,痙攣:神経化学的,神経薬視学的,核医学的研究
Project/Area Number |
05454663
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Research Institution | Tohoku University Medical School |
Principal Investigator |
渡辺 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 浩 東北大学, 医学部, 助手 (60250742)
矢内 一彦 東北大学, 医学部, 講師 (50192787)
小野寺 憲治 東北大学, 歯学部, 講師 (40133988)
前山 一隆 愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)
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Keywords | ヒスタミン / 学習・記憶 / 痙攣 / PET / 加令 |
Research Abstract |
中枢ヒスタミン神経系と痙攣の関係では、ヒスタミン神経系を活性化するヒスタミンH3拮抗薬チオペラミド、クロベンプロピットは、マウスの電撃痙攣の持続時間を用量依存的に短縮し、その効果はH3作動薬とH1拮抗薬でブロックされたが、H2拮抗薬ではブロックされなかった。即ち、痙攣抑制効果はH1受容体を介して発現している。このことは、H1作動薬2-チアゾリルエチラミンの脳室内投与によっても持続時間が短縮したことから確認された。逆にH3作動薬の単独投与は、持続時間を延長した。幼弱マウス(3週齡)は、成熟マウス(6週齡以上)より電撃痙攣の閾値が低く、H1拮抗薬ピリラミンによりさらに低下した。しかし、非鎮静性H1拮抗薬タ-フェナジンによっては変化しなかった。このことはてんかん患者でケトチフェンにより症状が増悪したが、タ-フェナジンでは認められなかったというわれわれの症例の所見と合致する。老化促進マウス(SAM)を用いて、チオペラミドが受動回避反応の潜時を短縮する、即ち、学習能を改善することを見いだした。総頸動脈の一過性閉塞による砂ネズミ海馬CA2領域の神経細胞死は、ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤、α-フルオロメチルヒスチジン処理により海馬ヒスタミン含量を低下させると増強することがわかった。即ち、中枢ヒスタミンは学習・記憶に関係することが示唆される。同一切片の二重標識オートラジオグラフィー法を開発し、これを用いて線条体-黒質系においてヒスタミンH3受容体が、ドパミンD1受容体を介してドパミン神経系により制御されていることを明らかとした。アルツハイマー病、多発梗塞性痴呆症の患者の脳のヒスタミンH1受容体の密度をポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)を用いて測定したところ、性、年齢がマッチした正常人に比べて、大脳皮質で有意に低下していた。H1受容体を介する神経伝達と痴呆症の関係が示唆される。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] J.H.Ryu: "Heteronenous distributions of histamine H3,dopamine D1 and D2 receptors demonstrated by double labeled autoradiography in rat barin." NeuroReport. 5. 621-624 (1994)
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[Publications] J.H.Ryu: "Marked increase in histamine H3 receptors on the striatonigral neurons after 6-hydroxydopamine-induced denervation of nigrrostriatal dopaminergic neurons demonstrated by autoradiography." Neurosci.Lett.178. 19-22 (1994)
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[Publications] K.Sugimoto: "Histamine depletion in brain caused by treatment woth(S)-α-fluoro-methyl-histidine enhances ischemic damage of gerbil hippocampal CA2 neurons." Brain Res.666. 279-283 (1994)
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[Publications] H.Yokoyama: "2-Thiozolylethylamine,a selective H1 antagonist decreases seizure susceptibility." Pharmacol.Biochem.Behav.47. 503-507 (1994)
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[Publications] H.Yokoyama: "Clobenproprit,a new histamine H3 receptor antagonist,and electrically-incuced convulsions." Eur.J.Pharmacol.260. 23-28 (1994)
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[Publications] K.Onodera: "Neuropharmacology of the histaminergic neuron system in the brain and its relationship with behavioral disorders." Prog.Neurobiol.42. 685-702 (1994)
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[Publications] 谷内一彦: "脳の神経伝達機能イメージング" 金芳堂, 20
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[Publications] K.Yanai: "Clinical PET in Oncology" World Scientific,