1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454670
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 和明 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (30094452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植月 太一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (20260309)
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Keywords | ニューロン / 発生分化 / necdin / 遺伝子発現 / プロモーター / 特異的cis配列 / 転写制御因子 / trans因子 |
Research Abstract |
本年度は既に我々が見いだした神経分化に特異的に発現する遺伝子産物necdinを中心に研究した。necdinは分化したニューロンの核に存在する蛋白質であり、その遺伝子の構造と発現の調節機構を研究することで、ニューロン発生分化機構にアプローチすることが可能になると考えられる。そこで、マウスES細胞由来の体細胞DNAからnecdin遺伝子をクローン化して、その構造を調べたところ、necdin遺伝子はイントロンを欠く構造をもつことがわかった。また、5'上流領域の構造を調べたところ、転写開始部位(キャップ部位)の上流には典型的なTATAボックス領域が欠損することが明らかになった。次にプロモータ調節領域の欠失変異をつくってプロモーター活性をレポーター遺伝子を用いて調べた。その結果、転写開始部位の上流にニューロン特異的発現を制御する領域と転写活性を上昇させる構造が存在することが判明した。次に、necdin遺伝子の5'上流領域の欠失変異を作製し、それにレポーター遺伝子を連結して、神経分化特異的配列を検索した。その結果、necdinのプロモータ領域には形態形成に重要な役割を果たす転写制御因子simやホメオボックス遺伝子産物の結合配列が存在することが判明した。さらに、その配列に特異的に結合する転写因子をゲルシフトアッセイ法を用いて探索し、trans活性をもつ因子の存在を明らかにした。次に、in vivo状態でのプロモーター活性を検出するため、レポーター遺伝子を連結したベクターをゼブラフィシュの受精卵に微量注入したところ、ニューロンに特異的に発現することが明らかになった。このことから、necdin遺伝子の5'上流領域にはニューロンでの発現を制御する領域が存在することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)