1994 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスDNA法による脳内ステロイドホルモン受容体の機能構造解析
Project/Area Number |
05454674
|
Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
河田 光博 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60112512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 規之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50239662)
由利 和也 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10220534)
上田 秀一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60150570)
|
Keywords | アンチセンスDNA / 遺伝子発現 / ステロイドホルモン / ステロイドホルモンレセプター / in situハイブリダイゼーション法 / 免疫組織細胞化学法 / 性差 / 脳分化 |
Research Abstract |
生直後のラット副腎髄質細胞を培養した。培養液中に、細胞骨格関連タンパクであるtauとMAP-2に対するアンチセンスDNAをNGF作用下の副腎髄質クロマフィン細胞に投与すると突起の伸長は起こらず、しかもtauとMAP-2の免疫反応は消失していた。このことは、アンチセンスDNAによってtauとMAP-2のタンパクの発現が抑さえられたと同時に、細胞形態の変化をも引き起こすことを示している。グルココルチコイドレセプターの副腎髄質細胞における作用を明らかにするため、グルココルチコイドレセプター抗体の作製を行った。グルココルチコイドレセプターの転写調節ドメインをコードするcDNAが挿入されたイクスプレションベクターを用い、GST癒合タンパクを作製したのち、分離、精製し、ウサギを免疫し、活性の高い抗体を得た。特異性の検定にはイムノブロッティング法や免疫組織化学法を用いた。また、in vitro トランスクリプション法によってジゴキシゲン標識cRNAプローブをin situハイブリダイゼーション検索のために作製した。現在、これらを用いてグルココルチコイドレセプターのアンチセンスDNAを組み込ませたレトロウイルスベクターを作製、C6グリオーマ細胞に感染させ、増殖が抑制されるかどうかの検討を行っている。エストロゲンレセプターの発現については、生直後のラット視床下部領域を中心にin situハイブリダイゼーション法を行っており、またエストロゲンレセプターの抗体による免疫組織化学法も併せて検討した。エストロゲンレセプターの発現は内側視束前核で雌雄差が顕著に認められ、この領域へのアンチセンスDNA投与によって性分化が修飾されることから、エストロゲンレセプターの脳分化過程における重要性が明確となった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 河田光博、上田陽一: "ラジオアイソ-プ(RI)を用いるin situハイブリダイゼーション(ISH)法" 組織細胞化学1994. 140-143 (1994)
-
[Publications] Yuri,K.and Kawata,M.: "Estrogen affects calcitonin gene-related peptide-and methionine-enkephaline-immunoreactive neuron in the female rat preoptic area." Neurosci.Lett.,. 169. 5-8 (1994)
-
[Publications] Yuri,K.,Kawata,M.: "Region-specific changes of tyrosine hydroxylase-immunoreactivity by estrogen treatment in female rat hypothalamus." Brain Res.645. 278-284 (1994)
-
[Publications] Morimoto,M.,Morita,N.,Kawata,M.: "The effects of NGF and glucocorticid on the cytological features of rat chromaffin cells in vitro." NeuroReport. 5. 945-956 (1994)
-
[Publications] Kawata,M.,Yuri,K.and morimoto,M: "Steroid hormone effects on geneexpression,neuronal structure and differentiation." Hormones and behavior. 28. 477-482 (1994)
-
[Publications] Nishi,M.,Ueda,S.,Morita,N and Kawata,M.: "Effects of glucocorticoid on neurones of rat dentate gyrus in dissociated culture." NeuroReport. 5. 2446-2448 (1994)