1993 Fiscal Year Annual Research Report
視覚識別-指向運動に関与する経路の情報処理過程の解析
Project/Area Number |
05454678
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
佐々木 成人 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 副参事研究員 (50110490)
|
Keywords | 上丘 / 視覚識別 / 指向運動 / 神経活動 / ネコ |
Research Abstract |
1.新しい視覚識別物体の提示方法の確立:これまで識別物体としてオレンジ、ブドウなどの立体プラスチィクモデルを識別させる方法で視覚識別-指向運動に関与する経路を調べてきた。この視覚刺激方法ではネコが物体のどのような形態的特徴を抽出して識別するかを調べることが困難であった。そこでコンピューターで識別すべき画像を作成し、その大きさ、または一部の形態特徴を系統的に変化させ、その画像をビデオプロジェクターでスクリーン上に投射して、ネコに識別させる方法を確立した。 2.多点同時記録方法の開発:視覚識別・指向運動の様に多数の領域が相互に協調して働き一つの目的行動を行う系の解析には多数の領域から神経活動を同時に記録し解析することが重要である。我々は現在使用中のマニプレーターを改良し、最大26カ所から同時記録できるようにした。 3.上丘ニューロンの活動様式の解析:複数(4-12本)の記録電極を上丘内に刺入し、その深さを系統的に変えることにより、視覚識別-指向運動中の上丘内の部位、深さによるニューロンの活動の相違を解析した。上丘ニューロンのretinotpy、movement fieldについては上丘の吻側から尾側に向かって水平方向の視野中心部から周辺部、上丘の内側から外側に向かって視野上部から下部が表現されていることを複数及び同一の動物から多点記録する方法で無拘束・覚醒動物で明らかにした。上丘の浅層から深層ニューロンの活動様式の相違について、浅層ニューロンの多くはtarget光が現れたときではなく、それに指向し注視した時に一定期間に持続的に発火すること、上丘中間層ニューロンの多くはtarget光が現れたとき一過性に発射し、targetに指向すると休止すること、深層ニューロンでは指向運動に先行して発射し、同時に指向運動に関係して注視している間、持続的に発火するもの多数認められること、を明らかにした。
|
-
[Publications] T.Isa: "Control of head movements during orienting and visual descrimination." Biomedical Research. 14. 47-49 (1993)
-
[Publications] Naito K: "Response characteristics of superior colliculus neurones in simple and descriminative orienting in cats." Jpn J Physiol. 43. S237 (1993)