1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454685
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
佐藤 昭夫 (財)東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 副所長 (60072980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 信夫 (財)東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 助手 (90260281)
柏木 仁美 (財)東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 助手 (00260282)
堀田 晴美 (財)東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 研究員 (70199511)
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Keywords | NK活性 / 脾臓交感神経 / 脾臓血流 / 体性感覚刺激 |
Research Abstract |
本年度は免疫担当器官として脾臓に焦点をあて、1)体制感覚刺激による脾臓の血流調節機構、2)体性感覚刺激が脾臓を支配する交換神経活動に及ぼす影響、3)体性感覚刺激が脾臓リンパ球のナチュラルキラー(NK)活性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 1)体性感覚刺激による脾臓の血流調節 麻酔下の動物を用いて、身体の種々の部位への体性感覚刺激が脾臓血流に及ぼす影響を調べた。脾臓の局所血流量測定は経時的変化を測定できるレーザードップラー血流法を用いて記録した。非侵害性のブラシ刺激はどの部位でも脾臓の血流に影響を与えず、鍼刺激および侵害性のピンチ刺激では、腹部、顔、四肢への刺激で脾臓の血流は減少した。脾臓を支配する交換神経の電気刺激により脾臓の血流は減少した。したがって、体性感覚刺激により交感神経を介して脾臓血流が減少することが明らかになった。 2)体性感覚刺激が脾臓の交感神経活動に及ぼす影響 脾臓の遠心性交感神経活動は白金イリジウム電極を用いて導出した。麻酔下の動物において、脾臓支配の交感神経活動は、腹部、顔、四肢への鍼刺激および侵害性ピンチ刺激により亢進した。さらに意識下のラットを安定な状態に保持して脾臓支配の交感神経活動を連続的に記録する方法を開発し、意識下のラットにおいても、鍼刺激で脾臓支配の交感神経活動は亢進することがわかった。 3)体性感覚刺激による脾臓の免疫機能の調節 脾臓リンパ球のNK活性はYAC-1細胞を標的としたstandard chromium assayで測定した。脾臓リンパ球のNK活性は後肢への侵害性のピンチ刺激によって低下した。この反応は脾臓支配の交感神経を切断することにより消失した。一方脾臓交感神経の電気刺激によりNK活性は低下した。したがって、侵害性体性感覚刺激により脾臓の交感神経活動の亢進を介してNK活性が低下することが明らかになった。 本年度の研究に体性感覚刺激により脾臓の交感神経を介してNK活性が調節される事実が明かとなった。今後これまでの脾臓に関する研究に加えて、胸腺についても研究を進める予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hotta,H.,Sato,A.,Sato,Y.and Uvnas-Moberg,K.20GB01:Somatic afferent regulation of plasma prolactin in anethetized rats.: Japanese Journal of Physiology. 43. 501-509 (1993)
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[Publications] Kurosawa,M.,Sato,A.and Zhou,W.: "Cutaneous noxious mechanical sensory stimulation increases extracellular release of noradrenaline and serotonin in the cerebral cortex in anethetized rats." Biogenic Amines. 10. 27-37 (1993)
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[Publications] Sato,A.,Sato,Y.,Suzuki,A.and Uchida,S.: "Neural mechanisms of the reflex inhibition and excitation of gastric motility elicited by acupuncture-like stimulation in anethetized rats." Neuroscicence Reserach. 18. 53-62 (1993)
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[Publications] Kurosawa,M.,Okada,K.,Sato,A.and Uchida,S.: "Extracellular release of acetylcholine,noradrenaline and serotonin increases in the cerebral cortex during walking in conscious rats." Neuroscience Letters. 161. 73-76 (1993)
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[Publications] Kurosawa,M.,Sakiyama,y.,Sato,A.and Uchida,S.: "Innocuous mechanical stimulation of the hindlimb skin increases extracellular release of acetylcholine in the cerebral cortex in conscious rats." Biogenic Amines. (in press).