1995 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサテライトDNAマーカーによるラットII型糖尿病遺伝子座の染色体マッピング
Project/Area Number |
05454688
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKUSHIMA |
Principal Investigator |
松本 耕三 徳島大学, 医学部, 助教授 (00002246)
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Keywords | Diabetes / NIDDM / Rat / Mapping / Chromosome |
Research Abstract |
ヒト成人型糖尿病(II型糖尿病)(Non insulin-dependent diabetes mellitus, NIDDM)は世界人口の数%にも達する広範囲にわたる病気であり、環境要因もさることながら遺伝的要因がその発症に大きく影響している。しかし、単一の遺伝子ではなく複数の遺伝子によってその発症が影響を受けていることからその遺伝子の検索はヒトでは全く進んでいない。このため、よりヒトに近いNIDDMのモデル動物がその解明のために必要である。今回とりあげたOLETFラットは肥満傾向を示し、かつ、十分な運動やダイエットを施せば糖尿病を発症しない傾向を持ち、ヒトのNIDDMモデルとしてもっとも近いと考えられる。従ってOLETFを利用して、その糖尿病に関与する遺伝子を同定することがヒト糖尿病遺伝子の研究を大いに促進することとなる。 OLETFラットと正常ラットF344を交配しF1を作成し、さらにF1同士を交配してF2を160匹作出した。これらF2を30週齢まで通常の飼料で飼育し、その後グルコースを経口投与してその後の血糖値を測定した(Oral Glucose Tolerance Test; OGTT)。その後F2個体の肝臓よりDNAを抽出した。またマイクロサテライト約400種をスクリーニングして遺伝多型のあるマーカーとして約100種を選択した。ほぼ全滅の染色体をカバーできるようにセットした。それらをプライマーとしてPCRによりF2 DNAをtemplateとしてPCRプロダクトをつくり、それらをアガロースゲル、あるいはポリアクリルアミドゲルにより解析した。 遺伝解析サンプル数は実に20,000点を超えた。それらの遺伝情報をMapMaker/QTLプログラムにより解析を行った。LOD scoreによりNIDDM関連遺伝子を調べたところ、OLETFの糖尿病発症には少なくとも4つの遺伝子が関与していることが明らかとなった。それらはいずれも常染色体上に存在する。さらにsuggestive genesとしてLOD scoreが2-3以内のものは6個も存在していた。従って、NIDDMは少なくとも4ヶもしくはそれ以上の遺伝子によることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamada,...,Matsumoto: "A mutant strain (LEC) of rot with low degree..." Life Science. 57. 1515-1524 (1995)
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[Publications] Sakai,...,Matsumoto: "Abnormal CD45RC expression and celevated C745..." Eur. J. Immunol. 25. 1399-1404 (1995)
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[Publications] Agui,...,Matsumoto: "Opposite actions of Transforming growth factor -b..." J. Biochem.118. 500-507 (1995)
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[Publications] Muramatsu...,Matsumoto: "Wilson´s disease gene is homologes to hts..." Gastroenterol. 107. 1189-1192 (1994)
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[Publications] Agui,...,Matsumoto: "Stimulation of IL-6 production by endothelin..." Blood. 84. 2531-2538 (1994)
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[Publications] Miura,...,Matsumoto: "Chromosomol assignments of genes for rat..." Cytogenet Cell Genet. 65. 119-121 (1994)