1993 Fiscal Year Annual Research Report
西太平洋赤道域から琉球弧にいたる暖流系の後期第四紀環境変動
Project/Area Number |
05455019
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
氏家 宏 琉球大学, 理学部, 教授 (60000113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定資料センター, 助教授 (10135387)
小野 朋典 琉球大学, 理学部, 教務職員 (70233583)
山本 聡 琉球大学, 理学部, 講師 (50124855)
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Keywords | 安定酸素同位体 / ナンノプランクトン / 海水透明度 / 西太平洋赤道域 / ピストン・コア / 第1次海洋生産量 / 琉球弧 / 後期第四紀環境変動 |
Research Abstract |
1)平成5年6月の淡青丸航海により、堆積物の堆積状況の基本を知るために12チャネル多重波音波探査を実施した。また、2地点でマルチプル・コアサンプラーにより、真の表層堆積物を採取し、底層水・堆積物間の物質交換と底生有孔虫の棲息状況に関する適切な試料を得た。同様な試料5点を他の航海から提供を受けた。 2)11月の9日間にわたる長崎丸航海により、沖縄周辺海域から12本のピストン・コアを採取した(これは日本におけるピストン・コア採取の最高記録である)。 3)地質調査所と協力して、西太平洋赤道域とヘス・ライズからのコア試料を研究中。 4)ナンノプランクトンの一種であるFlorisphaera profunndaが後期第四紀における海水透明度(主として第1次海洋生産量)変動の指標となることを明らかにし、国際誌に印刷・公表した。 5)西太平洋赤道域カロリン海盆のコア試料を用いて、有機・無機炭素沈積量の後期第四紀を通じての変動に関する試論を、国内誌に発表した。 6)琉球海溝斜面域からのピストン・コア2本について、後期第四紀時系列を通じての底生有孔虫の産出変動を明らかにし、国内英文誌に投稿中。さらに、4本のコアについても投稿論文を準備中。 7)1000年単位の後期第四紀時系列を得るには、安定酸素同位体の比率を測定する必要があるが、上記のピストン・コア以外にも、多数にわたって成果を得つつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 氏家 宏 ほか: "Florisphaera profunda,a possible indicator of late Quaternary changes in sea-water turbidity at the northwestern margin of the Pacific" Marine Micropaleontology. 22. 225-273 (1993)
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[Publications] 氏家 宏 ほか: "西太平洋カロリン海盆における有機・無機炭素沈積の変動" 月刊・海洋. 25. 356-361 (1993)