1995 Fiscal Year Annual Research Report
音声情報処理技術を応用した一般音声学演習支援システムの開発の研究
Project/Area Number |
05551006
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Research Institution | KANSAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
壇辻 正剛 関西大学, 文学部, 助教授 (10188469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 豊 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40027917)
梅崎 太造 中部大学, 工学部, 助教授 (40193932)
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Keywords | 一般音声学 / 調音点 / 調音体 / 音響分析 / IPA / フォルマント(ホルマント) |
Research Abstract |
平成7年度は以下の様な研究を推進した。一般音声学への理解を深めるために、調音音声学的な研究では、従来の調音点重視の枠組みに加えて、最近、重視されるようになった動的調音体を記述の枠組みに導入する試みを検討した。また、それに伴って、コンピュータ上の画像で動的調音体の動きをシミュレートする研究を進めた。これは、音響分析の結果を応用して、ある程度疑似的にシミュレートする試みである。これによって、言語音の調音と音響の対応関係を始めとする諸概念への認識がより深められるものと期待される。基本となる音声の音響分析では、入力された音声の分析・表示を効率よく進められることに重点を置くと共に、分析機能の充実をはかった。フォルマント(ホルマント)構造の分析では、通常のワイド・バンドの分析やナロ-・バンドの分析に加えて、等高線表示等も行なえるようになり、フォルマントの抽出にもLPC分析や群遅延解析等を利用できるように試みた。また、アンチ・フォルマントの分析のためにはケプストラム分析も応用できるようになった。音声分析のためのコンピュータ利用は、処理の高速化を目指して、ワークステーション上で開発を行なってきたが、本年度後半より処理速度の高速化が実現されたパーソナル・コンピュータ上への1部機能の移植も試みた。この試みによって、今後、音声分析や音声教育がより容易に行なえるものになると期待される。さらに、IPA(国際音声記号)の改定に伴って、日本語音声への適用の研究も進めた。また、数値コード化に関しては、国際音声学協会誌に掲載されたEsling等のコード化の欠点を指摘した。また、改善案を提案した。この改善案を利用すると音声資料の記述とコンピュータ利用に大幅な改善がもたらされるものと期待される。
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[Publications] 壇辻,正剛: "音声分析と語学教育" 関西大学視聴覚教育. 18. 印刷中 (1996)
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[Publications] 大西,雅行、土岐,哲、壇辻,正剛: "日本語音声の表記法調査" (平成7年度)日本音声学会全国大会予稿集. 11-17 (1995)
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[Publications] 山田,賢治、梅崎,太造: "GUIを利用した音声分析表示システムの開発" 日本音響学会春期講演論文集. 1-8-8. 357-358 (1995)