1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05554004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
幅 淳二 大阪大学, 理学部, 助手 (60180923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 博一 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (10132680)
松田 武 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (10029564)
瀧田 正人 大阪大学, 理学部, 助手 (20202161)
山中 卓 大阪大学, 理学部, 助教授 (20243157)
長島 順清 大阪大学, 理学部, 教授 (90044768)
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Keywords | アバランシェフォトダイオード / APD |
Research Abstract |
本研究は、セグメント化されたアバランシェフォトダイオード(APD)の試作をテーマとして進められている物であるが、初年度は、APD製作における、半導体プロセスの最適化と諸パラメータの検討のため、0.5^〜10mmφの円形ならびに0.5x3mm^2のストリップなどが、セイコー電子工業の協力によって試作開発された。それらに対する特性検査を、備品として購入した任意波形発生装置等を利用して行い、以下の諸点が明らかとなった。 1)必要とされる有感領域の厚さからくる要請よりも、さらに高純度のシリコン基板を使って製作をするべきであるらしい。これは、不純物濃度以上に格子欠陥の存在がアバランシェ動作に有害であるためらしい。 2)高純度基板を使用するにふさわしい、クリーンなプロセス処理が不可欠である。前処理などからの極微量の重金属や、窒化膜の残滓などが低い電圧でのブレイクダウンの原因となり、歩留まりを極端に低下させる。 現在のところ最良のサンプルでは、100Vのバイアス電圧にて、約10倍のゲインが得られているが、暗電流などの点でまだまだ満足がいく物とはいえず、10kΩcm程度の高純度シリコン基板を使った再度の試作に期待がもたれている。これにより、低ノイズ化と高いブレークダウン電圧のいずれもが、実現できるものと思われる。 セグメント化されたAPDのあるべき構造についても、シミュレーション等により検討が進み、アバランシェ形成部の分割ではなく、それと対向する電極をストリップ状に分割する事が、現実的であることがわかった。今年度末より来年度にかけては、これらの知見を活用して、セグメント化されたAPDの実機が試作されることとなる。
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Research Products
(1 results)