1994 Fiscal Year Annual Research Report
生体微粒子等の運動の非破壊測定のためのフォトン走査トンネル顕微鏡の試作
Project/Area Number |
05555013
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大津 元一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 治男 アンリツ株式会社, 第二研究所, 研究部長
寺町 康昌 労働省職業能力開発大学校, 情報工学科, 教授
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Keywords | フォトン / ファイバ / 顕微鏡 |
Research Abstract |
前年度に作成したファイバプローブを用いてフォトンSTM装置を組み立て、その性能を評価した。評価のための標準試料として直径25ナノメータのサルモネラ菌鞭毛を用いた。コレクションモード(試料裏面から光を照射し、発生するエバネッセント光をプローブで集める方法)で測定を行い。分解能約5ナノメータでの画像計測に成功した。また、その分解能はファイバプローブ開口の増加、プローブ・試料間距離の増加とともに劣化することを確認した。これは我々が過去に提案している現象論的な理論モデルである「仮想光子モデル」による解析結果と一致することがわかった。さらに、画像の特徴が入射光の偏光依存性を持つことが見いだされたが、これは試料表面に発生する光誘起分極の空間的分布、方向により決まることがわかった。 一方、イルミネーションモード(プローブ先端からエバネッセント光を発生し、試料を照明する方法)の性能を評価するために、ニューロンを試料として用いた。特に、ニューロン軸索の内部にある公称直径25ナノメータ(電子顕微鏡による測定値)の毛細管の束を、軸索から取り出すことなしに画像計測することができた。このときの直径は25ナノメータと測定された。これは上記の公称直径と同等であり、生体試料測定において、本フォトンSTM装置は電子顕微鏡と同等の分解能を有することがわかった。なお、ここでは試料表面を導体化することなく、また毛細管を軸索から取り出す事なく、さらに高真空を用いる事なく空気中で測定しており、これらのことから本装置の性能の高さが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Pangaribuan,S.Jiang,M.Ohtsu: "Highly Controllable Fabrication of Fiber Probe for Photon Scanning Tunneling Microscope" Scanning. 16. 362-367 (1994)
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[Publications] Y.Toda,M.Ohtsu: "High spatial resolution diagnostics of optical waveduide using a photon scanning tunneling microscope" IEEE Photonics Technology Letters. 7(3月号印刷中). (1995)
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[Publications] 大津元一: "フォトン走査・トンネル顕微鏡" 光学. 23. 733-739 (1994)