1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555038
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 尚正 東京大学, 工学部, 教授 (00011073)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 孝弘 (株)アイシン, コスモス研究所・研究開発部, 研究員
村上 存 東京大学, 工学部, 助教授 (20212251)
|
Keywords | マイクロマシン / 光造形加工 / レーザ / 微細加工 |
Research Abstract |
1.はじめに:本研究の目的は、光造形加工の分解能を高めることにより、マイクロマシンに適した微細加工法とすることであり、本年度は以下の4項目について研究成果を得た。 2.カーボンブラック添加による吸光率向上に関する実験および解析:樹脂の吸光率を上げて加工精度を高めるため、市販の光造形用樹脂に約5%のカーボンブラックを添加して固化実験を行った。その結果、カーボンブラックが造形物を構成する各層の間に凝集し、加工物の強度が著しく低下することがわかった。そこで飽和量に相当する2%の黄色染料を添加した樹脂を作り、また染料の吸収スペクトルを考慮して光源を可視光源であるアルゴンイオンレーザに変更した。この樹脂とレーザとの組み合わせで、以前の3倍以上の5000m^<-1>の吸光係数が得られ、分解能は5μm以下に改善された。 3.液面規制用の石英窓板と樹脂との離型性に関する実験:窓板部を分離し、加振によって固着力がどのように変化するかを測定した。その結果、2kHzの加振によって固着力は20%にまで減少することがわかった。しかし、実際の加工では、加工物の疲労破壊・窓板の保持剛性の低下による精度の悪化などの問題が生じ、現在では加振を行わずに窓板表面のコーティングの改良によって問題の解決を図った。 4.光造形装置の設計:露光量・焦点位置を精密に制御することのできる加工装置を設計・製作・試運転した。機械分解能は1μmであった。 5.制御プログラムの作成:フロッピーディスク内の形状データを続み、加工装置の走査系・露光光学系を制御するプログラムを作成した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] NAOMASA NAKAJIMA: "Small Wonder" LOOK JAPAN. 33-449. 22-23 (1993)
-
[Publications] 中島 尚正: "マイクロマシンの可能性" 材料試験技術. 38-2. 1-8 (1993)
-
[Publications] 中島 尚正: "マイクロマシン技術の現状と可能性" 先端加工. 12. 4-11 (1993)
-
[Publications] 中島 尚正: "マイクロマシンへの期待" 機械の研究. 46-1. 55-56 (1994)
-
[Publications] 中島 尚正: "機械設計-基本原理からマイクロマシンまで" 東京大学出版会, 221 (1993)
-
[Publications] 東京大学マイクロマシン研究共同体: "超技術 マイクロマシン" NTT出版, 255 (1993)