1993 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ熱励起による熱物性制御薄膜の生成手法の開発研究
Project/Area Number |
05555065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小竹 進 東京大学, 工学部, 教授 (30013642)
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Keywords | 熱物性制御 / 薄膜生成 / レーザ熱励起 / 分子クラスター / 赤外分光 |
Research Abstract |
凝縮・蒸発現象は材料製造・熱エネルギー貯蔵・伝達などの工学工業上の重要な基礎技術であるが、エネルギー変化が小さく、その過程を自由に制御することは困難である。凝縮・蒸発過程のクラスター状態をレーザ光により熱励起し、その凝縮過程を制御できる可能性があるが、本研究では、これらの研究結果を利用して比熱や熱伝導率などの熱物性を制御しながら凝縮相(薄膜)を生成する手法の開発を目的とした。すなわち、凝縮過程においてこれらの熱物性を同時に測定し、所要の熱物性が得られるように熱励起過程を制御しながら凝縮過程を進行させて凝縮相(薄膜)の生成を行うというものである。 そのために、まず、分子クラスター実験装置内にクラスター気体源発生装置を組込み、さらに、クラスター生成経路内に熱励起用レーザビームと凝縮基板付近に現有の赤外分光計(フーリエ赤外分光光度計)を組込んで、温度・熱伝導率・光反射率が測定のできるように実験装置の組み立て調整を行った。この実験装置を用いて、(1)レーザの波長、照射位置、照射時間、および(2)気体源の種類、圧力、温度、スキマー位置、希釈気体の種類、濃度を変化させて薄膜を生成し、同時に薄膜の赤外分光、反射率の測定を行った。その結果、定量化までには多くの問題があるが、定性的にはこれらのクラスター生成パラメータおよびレーザーパラメータを変化することによって、熱物性をin situに制御しながら薄膜を凝縮生成できることを示した。
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