1994 Fiscal Year Annual Research Report
直交磁心形DC-AC変換器を用いた太陽光発電システムの実用化研究
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05555080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
一ノ倉 理 東北大学, 工学部, 助教授 (20134017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦泉寺 敏正 工学部, 教授 (10216260)
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Keywords | 太陽光発電システム / DC-AC変換器 / 直交磁心 / 非線形磁気応用 |
Research Abstract |
本研究は,筆者の着想による直交磁心型DC-AC変換器を用いた連系方式の太陽光発電システムの実用化を目的とし,家庭用規模の変換器の製作と太陽電池模擬電源による検証を行うとともに,太陽電池による不規則な発生電力を有効に利用するための最適制御方式の確率を図るもので,平成5年より2カ年の予定で進めてきた.以下に平成6年度における研究成果を記述する。 1.直交磁心の設計法の確立:前年度に提案した直交磁心の3次元磁気回路に基づき,本年度はより精度の良い解析・設計手法を目的として,磁心材料の異方性を考慮した特性計算手法,ならびに非線形性を考慮した直交磁心の鉄損算定法を与えた。 2.回路シミュレーション手法の検討:実器の製作に先立ち,400W程度の小型の直交磁心を用いて単相用DC-AC変換器の製作を行い,最適励磁回路方式ならびに制御方式について,シミュレーション並びに実験により検討を行った.これにより,実規模装置の開発に必要な事項が明らかになった. 3.実規模装置の製作:上記の成果に基づき,3kW程度の直交磁心形DC-AC変換器の製作を行い,実用に供し得る特性が得られることを検証した. 4.応用分野の開拓:上記と平行して,直交磁心の新しい応用についても検討を行い,低歪みで高速応答の可能な無効電力補償装置への適用の可能性を明らかにした. 以上,本年度の研究の結果,直交磁心型DC-AC変換器を用いた太陽光発電システムの実用化の見通しが得られるとともに,直交磁心の新しい応用分野の開拓がなされ,所期の目的はある程度達成されたものと考えられる.これらの成果は電気学会,日本応用磁気学会の研究会及び学術講演会等で発表を行った.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 一ノ倉 理: "三相結線時の直交磁心形可変インダクタンスの特性" 日本応用磁気学会誌. 18. 788-793 (1994)
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[Publications] 一ノ倉 理: "直交磁心形電力変換器の解析と設計" 電気学会マグネティックス研究会資料. MAG-94106. (1994)
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[Publications] 田島克文: "直交磁心の鉄損推定法について" 電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 1H4. (1994)
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[Publications] 鏡 敏郎: "直交磁心形可変インダクタンスの応答特性-シミュレーションに基づく考察-" 電気関係学会東北支部連合大会講演講演論文集. 1H17. (1994)
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[Publications] 田島克文: "非線形性を考慮した直交磁心の鉄損特性の-算定法" 第18回日本応用磁気学会学術講演概要集. 12PB-8. (1994)