1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平木 昭夫 大阪大学, 工学部, 教授 (50029013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 繁信 (株)島津製作所, 航空機器事業部, 主任研究員
八田 章光 大阪大学, 工学部, 助手 (50243184)
伊藤 利道 大阪大学, 工学部, 助教授 (00183004)
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Keywords | ダイヤモンド / 半導体材料 / 多結晶薄膜 / ECR放電 / プラズマCVD / パルス変調 / 発光分光測定 / 赤外レーザー吸収分光測定 |
Research Abstract |
本年度は、最大電力5kWのマイクロ波パルス電源と赤外レーザー吸収分光装置を備えたECRプラズマCVD装置を用いて、パルス変調ECRプラズマによるダイヤモンド薄膜の作製、およびパルス変調ECRプラズマの可視・赤外の分光測定を行なった。昨年度、最大電力2kWの実験では、パルス変調によって連続放電の2倍の成長速度が得られたが、今年度、最大電力5kWでは連続放電の3倍以上の成長速度を達成した。 パルス変調プラズマCVDで成長速度が向上するメカニズムについて、昨年度に引き続いて分光測定を行なった。赤外レーザー吸収分光によってプラズマ中のメチル(CH_3)ラジカル密度の計測を行なった。ダイヤモンドの成長速度はパルス変調の変調周波数に大きく依存し、500Hzで最大となるが、これに対しメチルラジカルの密度は大きくは変化しなかった。したがってパルス変調による成膜速度の向上は、メチルラジカル以外の活性種の寄与であると予想される。 可視領域の発光分光により水素ラジカルの発光強度の時間変化を測定した結果、水素ラジカルα寿命が約1ms程度であることがわかった。この値はダイヤモンド成長におけるパルス変調の最適周波数、500Hzと一致することから、パルス変調による成膜速度の向上は時間平均的な水素ラジカル密度の向上によるものであると考えられる。 本研究の最終目的である常温でのダイヤモンド成長については、従来の傷つけ処理に代って超微粒ダイヤモンドを用いた種付け処理を施すことにより、200度以下の低温で自形の明確な高品質のダイヤモンド膜の作製に成功した。また、150度以下ではポリマーが成長するためにダイヤモンドの成長は困難であり、ポリマーの成長を妨げることが低温化の鍵であることが明かになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takuya Yara 他: "Fabrication of Diamond Films at Low Pressure and Low-Temperature by Magneto-Active Microwave Plasma Chemical Vapor Deposition" Jpn.J.Appl.Phys.33. 4404-4408 (1994)
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[Publications] Nobuhiro Eimori 他: "Electron Affinity of Single‐Chystalline Chemical-Vapor-Deposited Diamond Studied by Ultraviolet Synchrotron Radiation" Jpn.J.Appl.Phys.33. 6312-6315 (1994)
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[Publications] Akimitsu Hatta 他: "Diamord Film Growth on Low-Temperature Substrate by Magneto-Active Microwave Plasma CVD." Diamond Films and Technology. 5. 29-39 (1995)
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[Publications] Takuya Yara 他: "Low.Temperature Fabrication of Diamond Films with Nanocrystal Seeding" Jpn.J.Appl.Phys.34. L312-L315 (1995)
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[Publications] A.Hatta 他: "Pulse modulated electron cyclotron resonance plasma for chemical vapor deposition of diamond films" Appl.Phys.Left.66(印刷中). (1995)