液晶パネルマスク制御方式による光造形法の開発と三次元再構成人体器官モデルの造形

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05555091
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 青木 由直 北海道大学, 工学部, 教授 (90001180)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 強 北海道大学, 大型計算機センター, 助教授 (80158287) ; 棚橋 真 北海道大学, 工学部, 助手 (90250480) ; 川嶋 稔夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (20152952)
• Keywords: 光造形法 / 液晶パネル / 三次元再構成法 / 光硬化樹脂 / 人体器官モデル / 医療画像データ伝送 / CT画像 / 超音波画像

Research Abstract

前年度に続き液晶パネルに水銀ランプからの紫外線を照射して、その透過光で光硬化樹脂を固める実験を行った。しかし、透過光の強度が微弱である難点を解決方法が見つからず、現在市販されていえる液晶を用いる制約下では、いきずまったままで終わった。今後この研究を進展させるためには、紫外線の透過率の高い液晶パネルの開発と水銀ランプからの紫外線に感度の高い光硬化樹脂の開発を待つ必要がある。人体器官等の三次元再構成のためのソフトウエアシステムについては、前年度の研究を発展さて、X線CT画像を元に人間頭部の良好な三次元再構成を行えるシステムの開発に成功している。その際、人間の頭部の皮下組織、軟組織、頭骸骨の区別を行うためのX線CT画像のコントラスト強調法を開発した。さらに濃度-こう配2次元ヒストグラムを用いて、この組織分類をより正確に行う方法とボリュームレンダリング技法を組み合わせ、良好な三次元再構成が可能であることを実験で示した。これらの開発に三次元再構成のソフトウエアシステムの支援のもとに、紫外線レーザ光による光造形法で人間の頭蓋骨のモデルに造形を行い、三次元再構成法と光造形法を結びつける技術につきデータを得た。人体器官の三次元再構成としては、超音波診断装置からのデータにより、人間の心臓の三次元再構成についても実験を行い良好な結果を得たた。さらに、将来本研究の光造形システムが実用的になった場合を想定し、光造形のための医療画像データ伝送も研究のテーマに加えて研究を進めた。この医療画像データ伝送については、研究室にある実験地球局を利用して、日本サテライトシステムズの通信衛星JCSATのトランスポンダを利用した折り返し通信により行った。さらにインターネットによる光造形データの伝送実験も行い、コンピュータ・ネットワークにより光造形システムの構築の可能性について基礎データを得た。

Research Products

• [Publications] Shangjun ZHANG,他: "A Two-Cacaded Filtering Method for the Enhancement of X-Ray CT Image" IEICE Trans.on Infomation and Systems. E76-D. 1500-1509 (1993)
• [Publications] 坂本 雄児,他: "濃度-こう配2次元ヒストグラムを用いた3次元画像の画素分類法" 電子情報通信学会論文誌. J77-D-II. 682-689 (1994)