1994 Fiscal Year Annual Research Report
スクリーン印刷法を用いた高感度半導体圧力センサの開発
Project/Area Number |
05555097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石原 宏 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (60016657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 吉徳 (株)オーバル, 研究2課, 研究員
曾澤 康治 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (40222450)
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Keywords | 圧力センサ / 半導体 / CdS / ダイアフラム / スクリーン印刷 / ガラス薄膜 |
Research Abstract |
本年度は、圧電半導体であるCdSをスクリーン印刷する方法について検討した。特に、焼結温度を変えて作製したCdS膜について結晶性および電気的特性を評価した。印刷原料には、CdS粉末にフラック(12重量%のCdCl_2)とバイダー(プロピレングリコール)を加えたペーストを用いた。また基板には、表面を酸化してSiO_2を形成したSi基板を用い、スクリーン印刷、仮焼き(150℃、1時間)、焼結(各焼結温度で1時間)によりCdS膜を作製した。焼結されたCdS膜は、平均膜厚13〜20μm.膜厚バラツキ±5〜10μmとなることが表面粗さ測定より明らかとなった。また、ノマルスキー顕微鏡による表面観察より、その表面にはスクリーンメッシュに対応する凹凸が存在することが分った。 X線回折法により、膜の結晶性を評価した結果、420℃以下で焼結した試料にはCdCl_2の回折ピークが存在するが、470℃以上で作製した試料では、CdS回折ピークのみが観測され、この温度以上でCdS多結晶膜が得られることが明らかとなった。また、この回折パターンをCdS粉末に対するそれと比較すると、各方位の粒子がそのままの割合でそれぞれ粒成長している事がわかる。これらの試料の電気的特性をホール効果測定により評価したことろ、520℃〜620℃で作製した試料に対して導電性が確認され、この温度範囲では、抵抗率は温度とともに減少し、キャリア濃度、移動度は温度とともに増加するという結果を得た。またSIMS測定により、高温の試料など、Clが抜けている事が確認された。これより、キャリア濃度は、不純物の絶対量よりも、その温度における活性化率に依存すると考えられる。
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