1993 Fiscal Year Annual Research Report
極低温下で用いられるコンクリートの補強材に要求される品質に関する研究
Project/Area Number |
05555117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 尚 東北大学, 工学部, 教授 (90005512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 裕 東北電力株式会社, 電力技術研究所, 研究員
氏家 久芳 東北電力株式会社, 電力技術研究所, 土木研究室長
板橋 洋房 東北大学, 工学部, 助手 (80142206)
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Keywords | 鉄筋の品質 / コンクリート補強材 / 極低温 / 耐衝撃性 |
Research Abstract |
極低温下において鉄筋に衝撃を与え、鉄筋が破断あるいはひびわれが発生するときの温度と衝撃の大きさとの関係を求める実験を行った。その手始めとして装置の検討を行ったが、今まで使用していたシャルピー衝撃試験機は衝撃の測定可能範囲が狭いことが分かったため、実験と平行して新たな試験機を作成する必要があった。新たな衝撃試験機は約5mの高さから種々の重さの重りを鉄筋上に落下させて鉄筋に衝撃を与えるものであり、これによって、実際のコンクリート中の鉄筋に発生する衝撃の大きさを鉄筋に与えることができるようになった。 極低温において鉄筋の衝撃試験を行い、以下の結論が得られた。 (1)一般の良好な鉄筋では、曲げ内半径2φまでの曲げ加工の範囲において、予歪み量と破断温度の関係はほぼ線形を示すと考えられるが、曲げ加工の影響を大きく受ける鉄筋では、予歪量が大きくなると破断温度がかなり上昇するため、温度の上昇に伴い、予歪量の増加による破断温度の上昇が頭打ちになると考えられる。 (2)今回使用した非磁性鉄筋については、極低温下での耐衝撃性は大変優れている。 (3)歪時効によって鉄筋が脆化する。 以上のことから、極低温下で引張を受ける鉄筋コンクリート構造物に用いられる鉄筋は鉄筋の材質や形状、使用温度によっては構造物中で破断する可能性があることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)