1993 Fiscal Year Annual Research Report
浮力を受ける大規模地下構造物の安定性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05555133
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹村 次朗 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40179669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北詰 昌樹 運輸省港湾技術研究所, 工質部, 地盤改良研究室長
岡村 未対 東京工業大学, 工学部, 助手 (50251624)
廣岡 明彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (70238400)
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Keywords | 地下構造物 / 浮力 / 土被り厚さ / 載荷速度 / 粘土地盤 / 砂地盤 / 浮き上がり量 / 引き上げ荷重 |
Research Abstract |
浮力を受ける大規模地下構造物の安定性について調べるために,平成5年度は、ワイヤーにより地盤中の構造物に上向き力を作用させる遠心模型実験を実施した。対象とした地盤は、豊浦標準砂からなる砂地盤並びにカオリンからなる典型的な粘土地盤の二種であり、模型地下構造物は矩形並びに円筒形の構造物とし、構造物の幅Bに対する土被厚さCの比であるC/Bと載荷速度の違いすなわち排水条件に着目し、これらが地中構造物の安定性に及ぼす影響について調べた。これより得られた結論は以下に示す通りである。 1)砂地盤における極限引き上げ荷重は、C/Bの増加とともに大きくなる。 2)砂地盤において、構造物の引き上げ量の増大とともに滑り線は構造物端部から放射線状に複数発生するが、この内最も外側の滑り線が最初に発生し、これによってピーク荷重が決まる。この破壊メカニズムを用いて計算した極限引き上げ荷重は実験結果と良い一致を示す。 3)砂地盤では平地盤における支持力問題と異なり、極限引き上げ荷重に与えるφ'の影響は小さい。 4)粘土地盤において、急速載荷と緩速載荷で荷重〜変位曲線や地盤の変形破壊性状は大きく異なり、許容変位量が小さな場合には排水条件すなわち長期問題が地下構造物の安定性において重要となる。 5)実験から得られた破壊メカニズムを用いた上界値計算により求めた急速載荷条件での粘土地盤の極限引き上げ荷重は、実験値と良い一致を示した。 6)同一のC/Bであれば、極限引き上げ荷重は排水条件(砂地盤)においては円筒形構造物で大きくなり、非排水条件では矩形構造物で大きくなる。
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[Publications] 塩梅崇,野城一栄,廣岡明彦,竹村次朗,木村孟: "上向きの力を受ける粘土地盤中の地下構造物の変形・破壊挙動" 第29回土質工学研究発表会講演集. (1994)
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[Publications] 野城一栄,塩梅崇,岡村未対,竹村次朗,木村孟: "上向きの力を受ける砂地盤中の地下構造物の安定性" 第29回土質工学研究発表会講演集. (1994)