1993 Fiscal Year Annual Research Report
高速空気流による雪の管内輸送システムにおける雪投入機構と輸送距離延長方法の開発
Project/Area Number |
05555154
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
山口 肇 長岡工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (00042747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 実 長岡工業高等専門学校, 工業化学科, 助教授 (80042753)
佐藤 和秀 長岡工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (80113398)
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Keywords | 雪処理 / 管内輸送 / 管内への雪投入 / 輸送距離の延長 |
Research Abstract |
空気を輸送媒体とする雪の管内輸送方式を基本とする雪処理システムの実用化に対して、最も重要な課題は、管内への雪の投入機構の開発および輸送距離延長方法の確立である。 投入機構の満たすべき条件は、輸送管内の高速空気流の風速値を減じないこと即ち輸送管内と大気との圧力差を保持すること、及び雪を一様な塊として投入すること、である。当該年度は前者の条件を満たすことに重点をおき、フィールドテスト用の実寸法の投入装置の基本的な構成部分および細部の交換部品の設計・製作を行った。この装置の原理は、軸を水平とする円筒内をゆっくり回転する羽根付きドラムにより、上部の開口部に投げ込まれた雪を、円筒下部にその中心線を円筒の軸と平行に取り付けた輸送管内に送り込むものである。輸送管内の圧力は、回転羽根の縁を柔構造として保ち、概ね500Pa程度の圧力差を保持可能とした。この装置の処理能力の目標値は、密度0.4g/cm^3の湿雪で60ton/hとした。現在、試作した装置は高速空気流を生じさせる高圧ブロワー(1.5kW)と組合せ、フィールドテストを継続中である。雪を一様な雪塊とする機構の設計は次年度の課題とし、現在は小型除雪ロータリーで代用している。 輸送距離を延長する場合、輸送管内の風速値をできるだけ大きく保つこと、及び途中で管内風速をブーストすること、が必要である。最も実用的な構成は、ブロワーによって初期の管内風速を与え、途中でのブーストにはコンプレッサ等からの高圧かつ高速な空気ジェットの運動量を管内の空気の運動量に変換する方式との組合せと考えられる。この構成は複数の直列接続に対しても何等問題はなく、空気ジェットが管内の静圧を部分的に低くする働きがあるために管内への雪の投入を容易とする。このブースト方式は、原理的には空気ジェットの風速が管内風速より大きい範囲でブースト可能であり、輸送距離の延長に対してはブースト段数の追加で対応する。
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[Publications] 山口 肇: "コンプレッサによる雪の管内輸送" 雪氷北信越. 第11号. 56 (1993)
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[Publications] 山口 肇: "コンプレッサによる雪の管内輸送の基礎実験V" 平成5年度日本雪氷学会全国大会講演予稿集. 137 (1993)
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[Publications] 山口 肇: "高速空気流による雪の管内輸送システムにおける雪投入機構I" 長岡工業高等専門学校研究紀要. 第30巻(発表予定). (1994)
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[Publications] 山口 肇: "高速空気流による雪の管内輸送システムにおける輸送距離延長方法について" 長岡工業高等専門学校研究紀要. 第30巻(発表予定). (1994)