1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555178
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
深道 和明 東北大学, 工学部, 教授 (00005969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐橋 政司 (株)東芝研究開発センター, 材料デバイス研究所, 主任
鈴木 謙爾 東北大学, 金研, 教授 (10005861)
潟岡 教行 東北大学, 工学部, 助教授 (90194761)
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Keywords | 蓄冷材 / デバイ温度 / 磁気変態 / 磁気比熱 / フォノン / 希土類元素 / 耐候性 / 磁気モーメント |
Research Abstract |
極低温を生成するためには、熱を運び去ってくれる高効率の蓄冷材が必要である。現在広く用いられているのは鉛であり、低いデバイ温度を有することに着目してフォノン項を応用している。しかし、10K以下の低温生成のためには他の力を借りなければならない。その役割を担うのが、磁気変態に伴う大きな比熱変化である。 本研究においてはこのような観点から10K以下に磁気変態を有する物質を探索している。磁気変態に伴う比熱の変化は物質の有する磁気モーメントの大きさに左右される。すなわち、大きな値を有する物質ほど有利である。そこで、重希土類元素を含む化合物で探索を行った。その結果、Ho-Pb化合物において目的が叶えられることが明らかになった。この化合物の磁気比熱の変化は、従来有望視されている化合物Er_3Niの値よりも大きい。また、デバイ温度は鉛の値よりもやや大きいだけでフォノン項による冷却効果も期待される。したがって、この化合物は磁気変態に伴う大きな比熱の変化による寄与とフォノン項による寄与の2つの効果が期待される。現在までのところ、この化合物は耐候性に問題があるので添加元素による改良を試みている。尚、これらの成果は1994年春の金属学会で発表される。
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