1993 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属合金-TiO_2半導体ショットキーダイオード型溶存水素センサーの試作
Project/Area Number |
05555186
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 克久 東北大学, 工学部, 教授 (80005397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 昇 東北大学, 工学部, 助手 (80222503)
原 信義 東北大学, 工学部, 助教授 (40111257)
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Keywords | 溶存水素センサー / TiO_2単結晶 / 貴金属合金 / 高温高圧水 / イオンビームスパッタ蒸着法 |
Research Abstract |
1.研究目的 沸騰水型原子炉では、冷却水系のステンレス鋼製機器・配管の応力腐食割れを防止する目的で、冷却水中への水素注入が実施されるようになっており、これに伴って水中の溶存水素(dissolved hydrogen;DH)濃度を計測するためのDHセンサーが必要とされている。本研究では、貴金属合金をゲート電極に用いるTiO_2ショットキーダイオードを利用した高温高圧水用DHセンサーを開発することを目的とした。 2.研究成果 (1)イオンビームスパッタ蒸着装置の改造:TiO_2との密着性に優れた高純度合金薄膜を形成するために、現有するシングルイオンソース型イオンビームスパッタ装置を、基板面に対向するイオンソースを備えたデュアルイオンソース型に改造した。これによって、皮膜の密着性を飛躍的に改善することができた。 (2)各種貴金属合金ゲートの作製およびDH応答特性の評価:Nb_2O_5添加TiO_2単結晶上にPd-Ag、Pd-Au、Pd-Pt系合金薄膜を形成し、これらのショットキーダイオードのDH応答特性を25℃で調ぺた。その結果、Pd-40%Ag合金は応答DH範囲が広く、かつ応答感度が高く、さらに水素脆化の臨界DH濃度も高いことから、DHセンサー用のゲートとして最適であることが分かった。 (3)高温高圧水中における合金ゲートの耐食性、耐久性:サファイア基板上に各種合金膜を形成し、温度300℃までの高温高圧水中における浸漬腐食試験並びに電気化学的分極測定を行った。耐食性はPd-Pt系の合金が最も優れているが、Pd-Ag系合金もAg含有量が50%以下であれば良好な耐食性を示すことが分かった。
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