1993 Fiscal Year Annual Research Report
機械加工を複合化した精密プラズマ溶射加工装置の開発
Project/Area Number |
05555188
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
前川 克廣 茨城大学, 工学部, 助教授 (20126329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 郁也 茨城大学, 工学部, 助手 (80007632)
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Keywords | 複合加工 / プラズマ溶射 / 機械加工 / 被膜の高機能化 / 密着強度 / セラミックス / アルミナ / 熱応力 |
Research Abstract |
本年度の研究成果をまとめると、以下のようになる. (1)すでに提案したクリーンカット溶射法,すなわち清浄で化学的に活性な,かつ適当な温度と表面粗さを有する切削直後の金属仕上面に直接にセラミックス溶射を施す加工法をさらに発展させた.具体的には,普通旋盤に取り付け可能な小型の溶射ガンを開発した.また溶射条件とクリーンカット溶射被膜との相関関係を吟味し,切削を応用した引っかき試験法によってクリーンカット溶射法の優位性を明らかにした. (2)下地溶射を行なうために,現有のセラミックス溶射材粉末供給装置とは別に,粉末供給装置をもう一台,設備備品として購入した.これを用いて,クリーンカット溶射法に下地溶射を介在させた場合の効果を,種々のボンドコート材(Ni-Cr合金、純Ni、高Cr-Fe複合粉末,NiCrAlCoY複合体)について調べた.その結果,炭素鋼基材上のアルミナ被膜に対しては,Ni-Cr合金および高Cr-Fe複合粉末が最も適合すること,さらにクリーンカットを併用すれば密着強度が向上することを引っかき試験および熱衝撃試験によって明らかにした. (3)有限要素法を用いて,溶射被膜生成時および熱サイクル試験時の熱解析を行った.その結果,下地溶射は加熱・冷却時の基材と被膜の熱膨張率の差に起因する熱応力,熱き裂を緩和させる効果のあることを,定量的に明らかにした. 当初に計画した研究目的,研究計画方法はほぼ達成された.成果の一部は,日本機械学会第1回機械材料・材料加工技術講演会「M&P'93」(平成5年11月)で「機械加工を複合化したプラズマ溶射法(MAPS)における下地溶射の効果」と題して,発表された.また,研究遂行上に生じた学術上の問題点等は特にない.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Maekawa et al.: "Characteristics of Alumina Coatings Made by Machining-Assisted Plasma Spraying" Thin Films in Tribology,D.Dowson et al. (ed),Elsevier. 473-481 (1993)
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[Publications] 前川克廣ほか: "機械加工を複合化したプラズマ溶射法(MAPS)における下地溶射の効果" 日本機械学会第1回機械材料・材料加工技術講演会「M&P'93」講演論文集. 112-114 (1993)