1993 Fiscal Year Annual Research Report
炭化と表面被覆が同時進行する新規セラミック被覆炭素繊維の製造法
Project/Area Number |
05555203
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
草壁 克己 九州大学, 工学部, 助教授 (30153274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光田 進 大阪ガス(株), 開発研究所, マネージャー
林 潤一郎 九州大学, 工学部, 助手 (60218576)
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Keywords | 炭素繊維 / 炭化ケイ素 / シリカ / 表面被覆 / 気相合成 / 炭化 / 不融化 / 耐酸化性 |
Research Abstract |
テトラエトキシシランを原料としてラジオ波プラズマ気相合成法により、不融化前のピッチ系炭素繊維プレカーサーにシリカを表面被覆した。このシリカ被覆プレカーサーを空気中250゚Cまで昇温して不融化を行い、その後、窒素雰囲気に変えて1000゚Cまで昇温してプレカーサーを炭化し、シリカを結晶化させた。生成したシリカ被覆炭素繊維の表面にはクラックがなく緻密であった。また、炭素繊維とシリカ界面での密着性も良好であった。 シリカ被覆プレカーサーを1500゚Cまで加熱すると、シリカが炭素繊維との界面に存在する炭素により還元され、シリカは炭化ケイ素となり、炭化ケイ素被覆炭素繊維が生成することが明らかになった。炭化ケイ素被覆炭素繊維の表面には多くの細孔がみられ、多孔質化した。 シリカ被覆及び炭化ケイ素被覆炭素繊維の空気流通下の昇温熱重量分析の結果、同じ温度で炭化した炭素繊維に比べて酸化開始温度が高温側にシフトしており、被覆により耐酸化性が向上した。また、両繊維の引っ張り強度を測定したところ、炭素繊維に比べて、シリカ被覆炭素繊維は強度が向上したが、炭化ケイ素被覆炭素繊維では逆に低下することが明らかになった。 現在、PAN系炭素繊維上への被覆、シリカ原料の検討および窒化チタン被覆について、検討中である。
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