1993 Fiscal Year Annual Research Report
スラグ流を利用するアルコキシド法酸化チタン微粒子連続合成装置の開発
Project/Area Number |
05555204
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
只木 〓力 東北大学, 工学部, 教授 (20005226)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 千春 東北大学, 工学部, 助手 (00250712)
米本 年邦 東北大学, 工学部, 助教授 (40125688)
|
Keywords | 酸化チタン / アルコキシド法 / スラグ流 / 単分散性 / 粒径分布 |
Research Abstract |
回分操作で得られた様々な知見に基づき小型の酸化チタン微粒子連続合成反応器を試作すると共に、反応物濃度、流量、熟成管内滞在時間、スラグ流形成の有無等を変化させた粒子生成実験を実施した。そして反応器からの流出懸濁液をサンプリングして生成微粒子の性状を求め、操作条件との関連性を定量的に調べた。 その結果、単分散に近い微粒子を生成させるには充填層内滞在時間を長くしてやれば良いことが分かった。また、レイノルズ数の増加と共に流れの軸方向の分散が増すため、熟成管内のレイノルズ数を小さくするほど単分散に近づくことも分かった。さらに、上記の結果をふまえて、軸方向の分散をより抑える方法として、熟成管内に間欠的に窒素ガスを注入してスラグ流を形成させることにより、従来法に比較して生成微粒子の単分散性を著しく高めることができた。 しかし、スラグ流では管壁に付着したまま取り残される懸濁液がわずかながら存在するため、若干ではあるが流量の増加に伴い単分散性が悪くなった。理想的なスラグ流であれば、いずれの流量でも回分式の場合と同程度の単分散性が得られるはずである。また、スラグの間の懸濁液は全て層流状態であると仮定しているが、スラグの直後では伴流により懸濁液の混合が起きている。ゆえにこれら2つのことを考慮した微粒子成長モデルを構築する必要があることがわかった。 スラグ流を利用するこのプロセスは原理、操作とも非常に簡単であるため、管内滞在時間分布の存在が問題となっている他の連続晶析装置にも適用できると期待される。今後は、工業的規模での微粒子合成を可能にするために、生成粒子性状の安定性および信頼性をより高め、スケールアップの可能性を検討する必要がある。
|
Research Products
(1 results)