1994 Fiscal Year Annual Research Report
液相毛管相分離現象に基づくin-situ細孔分布測定法の開発
Project/Area Number |
05555210
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡崎 守男 京都大学, 工学部, 教授 (90025916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 稔 京都大学, 工学部, 助手 (60200200)
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Keywords | 毛管相分離 / 細孔分布 / 液相吸着 / 膨潤性 / 毛管凝縮 / 液液平衡 / 相互溶解度 / 吸着等温線 |
Research Abstract |
飽和溶解度以下の濃度においても,細孔内に発生し得る溶質の相分離現象である“毛管相分離現象"に着目した,膨潤性/収縮性多孔質材料に適用し得る,液浸漬状態でのin-situ細孔特性評価法の開発について,本年度は膨潤性固体への適用を前提とした検討を行い,以下の結果を得た 1.膨潤性多孔質材料への適用のための解析法の改良 膨潤性固体においては狭義の吸着量が得にくいため,この情報を必要としないModellessMethodの液相系への適用可能性を,実測吸着等温線データをもとに,パーソナルコンピュータを用いて検討した.その結果,2nm程度の比較的小さな細孔径領域では精度は低下するものの,4〜5nm程度以上の細孔については本法によって十分に細孔径評価が可能であることが示された.材料開発過程などのように,母材組成が類似の多孔質材料間で比較を行うような場合には,表面吸着量の差はきわめて小さいと考えられるため,本法の適用が特に有効と考えられる. 2.膨潤性固体に適したプローブ分子の探索 芳香族溶質では表面吸着の寄与が比較的大きく,膨潤性固体での測定精度が低下することを克服すべく,望ましいプローブ分子を,合成吸着剤上での吸着量を実測することにより探索した.その結果,環状脂肪族が良好な性質を有すること,なかでもシクロペンタンの表面吸着量はほぼ無視小でありきわめて望ましいプローブ分子であることが明らかとなった. 3.逆転系(非水溶媒系)への適用 親水性多孔質固体への,有機溶媒中の水分の吸着を対象に吸着等温線を実測し,非水溶媒系での毛管相分離現象の特性測定・解析を行った結果,毛管相分離臨界細孔径の定量的表現は,非水溶媒系においても妥当なものであり,さらに,実測した吸着等温線は,表面吸着と毛管相分離の和からなるとする解析によって良好に説明できたことから,本測定法は非水溶媒系についても有効であることが明かとなり,適用範囲の拡大を達成した.
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[Publications] Minoru Miyahara: "Liquid Phase Capillary Condensation and Adsorption Isotherm" AIChE Journal. 40. 1547-1557 (1994)
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[Publications] Minoru Miyahara: "A Method for Estimation of Pore Characteristics of Solids Immersed in a Solvent Based on the Capillary Phase Separation Concept" Characterization of Porous Solids III,Studies in Surface Science and Catalysis Series,Elsevier. 87. 353-362 (1994)