1993 Fiscal Year Annual Research Report
流下液膜式コロナ放電反応器による気体精製技術の開発
Project/Area Number |
05555211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学部, 助教授 (30111933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 哲夫 京都大学, 工学部, 助手 (50243043)
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Keywords | 電子付着 / 流下液膜 / コロナ放電 / ヨウ素除去 / 負イオン / ハロカーボン / 気体精製技術 |
Research Abstract |
本年度は,流下液膜式コロナ放電反応器を試作し,ヨウ素除去実験を実施したところ,本反応器が気体精製技術として適用できる可能性が得られた.電子付着反応に関する研究では,解離性電子付着確率の推算法に関して検討を加えた.得られた研究成果を次に示す. 1.流下液膜式コロナ放電反応器の製作・試験 濡れ壁塔の中心にカソード(陰極)を設けた流下液膜式コロナ放電反応器を試作し,カソード構造の工夫により電流値1mAまで安定な放電を行うことができた.流下液膜として純水を用いて,窒素からの微量のヨウ素の除去実験を実施した.ヨウ素は純水に吸収するが,放電を行うとヨウ素の除去率が向上する知見が得られた.しかし,放電の効果を更に大きくするために,流下液に電解質溶液を使用するなどの検討が必要である.また,ヨウ化メチル,ハロカーボンの除去に本反応装置適用できるかについて検討を加える必要がある.平成6年度はこの観点から装置の開発を進める. 2.電子付着反応に関する研究 解離性電子付着確率の電子エネルギー依存性を理論的に求める方法を提案し,塩化メチル類の電子付着確率を推算した.CH_3Cl,CCl_4の電子付着確率が最大となる電子の入射エネルギーの計算値は既往の実験値と良好な一致が得られた.しかし,CH_2Cl_2,CHCl_3については一致が不十分であり,分子を三次元振動子として取り扱い,電子付着確率の推算精度を向上させる必要がある.
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