1994 Fiscal Year Annual Research Report
チレンアイオノマーを用いた酸素分子の選択的吸着・透過分離膜の試作と工業的応用
Project/Area Number |
05555254
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
矢野 紳一 岐阜大学, 工学部, 教授 (70021607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
只野 憲二 岐阜医療技術短大, 助教授 (30163471)
原 久朗 三井, デュポンポリケミカル(株)・テクニカルセンター, 研究員
館野 均 三井, デュポンポリケミカル(株)・テクニカルセンター, 主事
轡 義和 三井, デュポンポリケミカル(株)・テクニカルセンター, グループリーダー
平沢 栄作 三井, デュポンポリケミカル(株)・テクニカルセンター, 所長
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Keywords | エチレン-メタクリル酸共重合体 / アイオノマー / 酸素吸着 / 紫外可視スペクトル / IRスペクトル / 酸素透過性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エチレン-メタクリル酸共重合体の各種有機アミン配位Mn(II)錯体の酸素吸着特性の評価およびその工業的応用を探究することである。今後の研究遂行に重要と思われる知見を以下に述べる。 1.各種有機アミンを用いて錯体アイオノマーを合成し、酸素分子の選択的吸着による色変化を利用して、酸素吸着特性を主に購入備品である紫外可視分光光度計により検討した。その結果、現在までに合成した錯体アイオノマーの中でポリオキシプロピレンジアミン(PODA)錯体が非常に優れた酸素吸着特性を示すことがわかった。このPODA錯体は、酸素の吸脱着過程を繰り返したときの再現性にも優れていた。これらの優れた特性はPODAのもつオキシプロピレン鎖の可塑効果によって酸素透過性が向上したことに起因している。現在、この観点からさらに優れた酸素吸着特性をもつ錯体アイオノマーの開発を試みている。 2.酸素吸着特性の温度(室温-200℃)による変化を調べるために、購入備品である分光光度計の試料室を種々の気体雰囲気下における測定が可能なように改良した。窒素気流下の測定から、70℃以上で酸素分子の脱離が起こることを見出している。同条件下のIRスペクトルの測定から、酸素分子の吸脱着にともなってMn(II)の配位構造が変化することもわかった。 3.得られた各種有機アミン配位Mn(II)錯体アイオノマーは酸素透過性に優れたシリコン系高分子とのブレンドあるいは多層フィルム化を行うことにより、より高特性のフィルムの作成が可能となる。そのために、シリコン系高分子との相溶性をDSCや電子顕微鏡等で検討しているところである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Tachino et al.: "Structure and Properties of Ethylene Ionomers Neutralized with Binary Metal Cations." Macromolecules. 27. 372-378 (1994)
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[Publications] S.Kutsumizu et al.: "dc conduction Properties of a Model Ethylene-Methacrylic Acid Ionomer." Macromolecules. 27. 1781-1787 (1994)
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[Publications] S.Kutsumizu et al.: "dc Electrical Conduction Studies on Ethylene Ionomers." Macromolecules. 27. 5457-5462 (1994)
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[Publications] H.Tachino et al.: "Anti-Electrostatic Properties of Various Types of Ethylene Ionomers." Polym.J.26. 1170-1178 (1994)
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[Publications] T.Shimizu et al.: "Ordered Structures of Poly(1H,1H,2H,2H-perfluorodecyl α-substituted acrylate)s." Macromol.Symp.82. 173-184 (1994)
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[Publications] H.Tachino et al.: "Water Absorption Effects on the Thermal Transition and Stiffness of Ethylene Ionomers." J.Appl.Polym.Sci.55. 131-138 (1995)
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[Publications] S.Kutsumizu et al.: CRC Press,Inc.,Boca Raton,FL,U.S.A.(印刷中), (dc Conduction Properties of Ionomers,The Polymeric Materials Encyclopedia:Synthesis,Properties and Applications,ed by J.C.Salamone.)