1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555268
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
深沢 塔一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80143171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 豊 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10101362)
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Keywords | セール / 流体弾性相互干渉 / Vortex Lattice法 / Total Lagrangian / 有限要素法増分理論 |
Research Abstract |
セーリングヨット等、帆走を主要な航走方法とする船舶の基本的推進装置であるセールは、風速、風向、セールトリムなどによってその形状が大きく変化するが、セールの性能はその形状に大きく依存する。そのため、セールがある風速、風向、セールトリムの下でどのような形状となるか、また、ある形状をとった場合にどのような性能となるのかを把握することは、その船の帆走性能を推定する上で非常に重要となる。本研究では、指定された風とセールトリムの下でのセールの性能を解析できるコンピュータプログラムを開発するものである。 平成5年度は、これまで研究代表者が開発してきたプログラムを基に、機能拡張を行なった。具体的な仕様は以下の通りである。(1)セールを膜構造の弾性体として扱う。(2)膜構造体の幾何学的非線形性を考慮し、大変形解析を行なう。(3)大変形解析方法として増分法を用い、Total Lagrangian Methodを使用する。(4)セールの膜構造体としての挙動計算には有限要素法を用いる。(5)静的解析のみならず考慮する。(7)セール流体力計算には3角形リング渦を用いたModified Vortex Lattice法を用いる。(8)伴流渦は、Kelvinの渦定理を満足するように、馬蹄形渦を放出する。(9)伴流渦はその場その場の流れの方向に沿うように変形させる。(10)セールは実際のヨットと同じくジブとメインの2枚とする。 平成5年度に開発されたプログラムを用いて試計算を行ない、既存の実験結果や実際のセール形状などと比較した結果、動的計算法における数値的安定化の必要性、計算精度向上のためのVortex Lattice法の改良の必要性、計算速度の向上、などの問題点があることが判明した。平成6年度はこれらの問題点を解決し、さらに実際のセール形状を計測して計算結果と比較し、プログラムの実用化を検討する予定である。
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