1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555269
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 英之 東京大学, 工学部, 助教授 (00196859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 徳昭 東京大学, 工学部, 助手 (80010891)
吉田 宏一郎 東京大学, 工学部, 教授 (90010694)
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Keywords | アクティブ制御 / ヒ-ブ / 大水深堀削 / 動揺補償 / ディジタルフィルター / 変位検出 / 加速度計 / 最小2乗法 |
Research Abstract |
平成6年度は本課題の最終年度であり、平成5年度にディジタルフィルターで確認された低周波ノイズ検出・除去の問題を克服するために、逐次最小自乗アルゴリズムを用いた動揺検出アルゴリズムを開発し、シミュレーションと実験により性能を確認した。 動揺補償装置は、浮体から水中に吊り下げた観測機器や構造体を浮体運動から絶縁するための装置であり、主にヒ-ブ動揺が対象となる。基本的には動揺検出部とアクチュエーターより成るが、能動型の場合には動揺検出アルゴリズムが最も重要になる。現在開発の対象となっている大水深域では、水中音響などによる対海底変位の直接計測によるヒ-ブ検出は、精度とリアルタイム性を失う。そこで、加速度計測の結果を唯一の情報として絶対変位を検出する手法の検討を行った。平成5年度には、加速度を2回積分する間に低周波、高周波ノイズを取り除くディジタルフィルターを設計したが、低周波ノイズ除去と位相遅れの最小化は相反する特性であり、バイパスによる検出を試みある程度の成功を収めた。 本年度は、さらに高精度化を目指し、低周波ノイズの特性がある程度明らかであることを利用して、最小自乗アルゴリズムにより成分を特定して除去するアルゴリズムの開発を行った。その結果、リアルタイム性を損なわずに動揺を検出することが可能となり、シミュレーションと実験で有効性を確認した。本アルゴリズムでは、浮体が水面回りで動揺し一方向に変位して行ってしまわないという先験情報を利用して、ドリフト成分を検出し除去するというものであり、検出精度の確保と計算機の内部変数の発散を防ぐために、定期的なリセットを行うものであり、要求性能である、(1)ドリフトがない、(2)位相遅れがない、(3)既に動揺している状態から起動して正しく機能する、といった機能が満たされた。平成6年度の成果は学会等の場において公表の予定である。
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