1993 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットによる構造システムの離散的満足化設計のためのプログラム開発
Project/Area Number |
05555273
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岸 光男 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00145814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 智貴 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90240027)
細田 龍介 大阪府立大学, 工学部, 教授 (30081392)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 組合せ最適化 / 離散的最適設計 / 最適構造設計 / 分散的数値表現 / ニューロ・オプティマイザ / 写像法 / 勾配力学系 |
Research Abstract |
ニューラルネットワークによる離散的満足化の機能を構造物の最適設計問題に適用することを目的として,今年度はそのプログラムの基本設計とプロトタイプの開発とを行なった.その結果として得られた新たな知見は以下の通り. 1.ニューロンを用いた設計変数の数値表現法 ニューラルネットワークによる離散的最適化(組合せ最適化)に於いては,各ニューロンの個別的機能の均質化(分散化)が最適化の効率を高めるということが研究代表者によって指摘されていた.今回,その問題に対して安定性判別を適用し,ニューロンによる分散的数値表現法の有効性を解析的に検証した.このことは,不規則的な離散値をとる設計変数に対する分散的数値表現法として,研究代表者が提案してきた写像法の有効性の証明でもある. 2.ニューラルネットワークによる最適構造設計 ニューラルネットワークによる構造設計の例として,研究代表者らは船体を単純梁とみなした中央横断面の離散的最適化を行なっている.ただし,そこでは有限要素解析を含んでいない.今回,ドーム型トラス構造(部材数52)の離散的最適化問題に対してプロトタイプを適用し,最適解が高い確立で得られることを確認した. 3.勾配力学系へのゆらぎ ニューラルネットワークは勾配力学系であり,それを用いた最適化に於いては,局所解からの脱出と大域的最適解への到達を可能とするために,系に確率的なゆらぎを与える必要がある。研究代表者は確率論的なゆらぎをモデル化してきたが,今回カオス力学系のゆらぎの導入を試みた.現時点では,制御パラメタの増大に比して最適化の効率の向上が確認できておらず,確率論的ゆらぎの優位性は否定されていない.
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[Publications] M.Kishi: "Structural Optimization by Neuro-Optimizer" IFIP Transactions B-12:Reliability and Optimization of Structural System. 113-120 (1993)
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[Publications] 岸 光男: "ニューラルネットワークによる最適化手法" 日本機械学会講習会教材-新しい最適化手法とその応用. No.930-59. 71-78 (1993)
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[Publications] 岸 光男: "ニューラルネットによる構造システム最適化の可能性" 日本建築学会第4回AIシンポジウム論文集. 7-14 (1993)
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[Publications] 小寺俊行: "ニューラルネットワークの挙動分析-最適解の安定性-" 第16回NCP研究会・機械の強度と形態研究懇話会論文集. 83-86 (1993)