1993 Fiscal Year Annual Research Report
陽イオン・陰イオン吸着剤としての天然ゼオライトの応用
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05555278
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高橋 克侑 山口大学, 工学部, 教授 (20115869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 惠子 山口大学, 工学部, 教務員 (50253175)
溝田 忠人 山口大学, 工学部, 教授 (10018666)
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Keywords | ゼオライト / 陽イオン(Li,Sr,Co,NH^<4+>)吸着 / 吸着等温線 / 水蒸気吸着 / 銅、黄鉄鉱 / メルカプトベンゾチアゾールの吸着 / 分子軌道法 / イオン交換 |
Research Abstract |
鉱物への陰イオン吸着の基礎的研究として、銅および黄鉄鉱クラスター上へのメルカプトベンゾチアゾールの吸着を分子軌道法によって研究した。メルカプトベンゾチアゾールの電子状態はチオカーボニルの硫黄と5員環の窒素に電子が多く分布しそれら原子が大きな負の荷電を帯びるが、5員環中の硫黄は中性に近い。メルカプトベンゾチアゾールから電子が銅及び黄鉄鉱に流れて両者の間に結合を生ずる。その相互作用は銅クラスター表面上の銅原子、黄鉄鉱クラスター表面上の鉄原子がメルカプトベンゾチアゾールの2つの硫黄の間に位置する場合と硫黄と窒素の間に位置する場合とで異なる。前者の場合、2つの硫黄と銅及び鉄原子の間に強い結合を生じ、後者の場合硫黄と窒素各原子と銅及び鉄原子の間に強い結合を生ずる。吸着の安定化エネルギーは前者において大きい。ゼオライトへの水蒸気吸着はゼオライトの乾燥温度が高い程、水のモル吸着熱は大きく、同種、同条件のもとでは水の吸着量が多い程水のモル吸着熱は減少しており、吸着初期の水蒸気程ゼオライトと強いエネルギーで吸着している。天然ゼオライトは合成ゼオライトに比べて一般的に水蒸気吸着熱は小さい。これは前者の吸着サイトの濃度が後者のそれより小さいものと考えられる。天然ゼオライト(石見産、衣川産、蔵王産)のLi,Sr,Ag,Co,NH^<4+>などの陽イオン吸着が検討された。Liに対しては石見産ゼオライトが他のゼオライトより吸着性が優れている。また1M NaCl溶液処理によるNa-ゼオライトはLiの吸着量を1.30〜1.85倍に増加する。Sr,Ag吸着は濃度が高くなるとその吸着量を上昇する傾向を示す。Co吸着量は細孔径が大きくなると増加するが、合成ゼオライトは逆の減少を示した。従って表面積当りの細孔の数も考慮せねばならない。それぞれの陽イオン吸着におけるゼオライトに対する吸着等温線は形式上フレントリッヒ型を示し、不均一表面上の吸着と同じになる。吸着はゼオライト中の陽イオンとの交換と考えられるが必ずしも化学量論的なイオン交換ではない。これら陽イオン中NH^<4+>は天然ゼオライト上に短時間で吸着し、特に石見産ゼオライトが高い吸着性を示す。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.TAKAHASHI,O.HAYASHIDA,and Y.NUMATA: "Quantum Chemical Approach to the Adsorption of Mercaptobenzothiazole on Pyrite by the Molecular Orbital Method" X VIII International Mineral processing Congress. Vol.3. 735-743 (1993)
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[Publications] 沼田 芳明,若松 貴英,高橋 克侑: "浮選補収剤の白金上への吸着に対する電気化学的研究" 資源処理技術. 40巻. 49-56 (1993)
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[Publications] Y.NUMATA,K.TAKAHASHI,and T.WAKAMATSU: "Adsorption of 2-Mercaptobenzothiazole on Cu Clusters by a Molecular Orbital Method" MMIJ/IMM Joint Symposium. Vol.1. 1-8 (1994)
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[Publications] 松井晃介,笠井利浩,権藤誠治,前田宏,溝田忠人,高橋克侑: "アルミ製錬赤泥廃液を用いて合成したゼオライトの水蒸気吸着熱の測定" 平成6年度春季大会研究業績講演要旨集,資源・素材学会. 3月29〜31日 平成6年. 7-8 (1994)