1994 Fiscal Year Annual Research Report
栄養繁殖作物等に発生するウイルスの迅速診断法の開発に関する研究
Project/Area Number |
05556007
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Research Institution | FACULTY OF AGRICULTURE,YAMAGUCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
亀谷 満朗 山口大学, 農学部, 教授 (40233978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 新哉 茨城県, 生物工学研, 技師(研究員)
大木 理 大阪府立大, 農学部, 講師 (00128761)
前田 孚憲 岡山大学, 資源生物科学研, 助教授 (10038309)
都丸 敬一 東京農大, 総研, 教授 (40172176)
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Keywords | 栄養繁殖作物 / 植物ウイルス / 迅速診断法 / 抗原抗体反応 / ラテックス / ろ紙 |
Research Abstract |
コンニャクからのRIPAによるウイルス検出においては、KMVとCMVは比較的容易に40-100倍希釈で検出されたが、DasMVについては200倍希釈で検出可能であったが、反応はやや不明瞭であった。キクからのウイルス検出においてはCVBが10-20倍希釈で検出された。タバコ類の病葉を用いたモデル実験でCVBとTAVの同時検出が可能であった。 ジャガイモからの検出においてはPLRVがジャガイモ病葉の2倍希釈で検出可能であることが明らかとなった。PVYとPVXはジャガイモ葉の50-100倍希釈で検出可能であり、病いもでは2-5倍希釈でのみ検出可能であった。PVXとPVY、PVXとPLRVの同時検出はそれぞれ100倍希釈と2倍希釈で可能であった。Carlavirusについては反応が不明瞭で改良を要する。プロテインA吸着ラテックスと抗血清を用いて抗体を感作して試みたRIPAによってTMVが検出された。これによりRIPAのために抗体を精製する必要のないことが示された。 良い抗血清を作製するためのウイルスの精製法を改良し、PEG沈でんを行った後ショ糖と塩化セシウムの混合液で作製した密度勾配カラムに重層し、2-4時間遠心することによりウイルスを純化でき、9種ウイルスの抗血清を作製した。この抗血清と水平展開RIPAをもちいて、CyMVとORSVが容易に検出できた。シンビジウムからのORSVの検出のためのサンプルは葉身では病微部分、根では古い根の中間から根元の部分が適していた。 RIPAの簡便法によるネギとイチゴからのウイルス検出において、ネギとイチゴの葉は100倍では反応を阻害し、1000倍では阻害しないことが明らかとなり、実際にネギからのGLVとOYDVおよびイチゴからのSPMYEVの検出は100倍では不明瞭なこともあったが、1000倍ではいずれも明瞭な反応を示した。
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