1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05556008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 興亜 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 禮二 塩野義製薬株式会社, 油日ラボラトリーズ, 所長
古沢 寿治 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70127166)
佐藤 行洋 アイソトープ総合センター, 助手 (60222022)
今井 邦雄 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80109313)
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Keywords | 休眠ホルモン / 修飾ペプチド / 構造活性相関 / 休眠卵 / 多化性系統 / カイコ |
Research Abstract |
ペプチド合成研究:休眠ホルモンは24個のアミノ酸からなるペプチドアミドである。本分子をN末端からいろいろな長さで切断したペプチドを合成し、その生物活性を比較した。その結果、活性発現の最小部はC末端の6アミノ酸であること、ペプチド鎖長をN末端側に伸ばすとED_<50>値が不連続的に減少すること、N末端のThrも関係していることが判明した。また休眠ホルモン分子内の一定のアミノ酸配列を欠損したペプチドを合成し、その活性を調査したところ、分子内欠損は活性には大きな影響を与えないことも判明した。これらのことから本ホルモンの構造一活性相関を推察し、ホルモンアゴニストやアンタゴニストの分子設計を考えた。 ペプチドの分子修飾研究:本ホルモンは水溶性であり、注射による投与は生物活性を示すが、カイコの皮膚を通しての投与は効果を示さない。経皮投与によってホルモン作用を発現させるために、休眠ホルモンのN末端に脂肪酸を結合したペプチド-脂肪酸複合体を合成した。本複合体の生物活性は、注射投与によってはほとんど減少しないことが判明した。しかし、経皮投与による本剤の効果は認められていない。その理由は分子の非極性がまだ十分ではなく、皮膚透過量が十分ではないことによると考えられた。この点を改良するために新規な分子設計を図りつつある。 生物検定、評価研究:合成ペプチドや分子修飾ペプチドの生物検定の結果、各種の活性ペプチドは最大活性、つまり産下卵の休眠割合ではいずれも60〜70%を示し、その活性に差異はないが、ED_<50>値では大きな差異を示すことが示された。すなわち、分子構造の差異はホルモンの受容体との親和性に反映しており、受容された情報の発現にはほとんど関係していないと判断された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Ikeda,M.et al.: "Induction of embryonic diapause and stimulation of ovary trehalase activity in the silkworm,Bombyx mori,by synthetic diapause hormone." J.Insect Physiol.39. 889-895 (1993)
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[Publications] Nachman,R.J.et al.: "Silkworm diapause induction activity of myotropic pyrokinin insect neuropeptides." Peptide. 14. 1043-1048 (1993)
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[Publications] Sato,Y.et al.: "Precursor polyprotein for multipele neuropeptides secreted from the suboesophageal ganglion of the silkworm Bombyx mori:Characterization of the cDNA encoding the diapause hormone precursor and identification ofadditional peptides." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 90. 3251-3255 (1993)
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[Publications] Su,Z.-H.,Sato,Y.,and Yamashita,O.: "Purification,cDNA cloning and Northern blot analysis of trehalase of pupal midgut of the silkworm,Bombyx mori." Biochim.Biophys.Acta. 1173. 217-224 (1993)
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[Publications] Saito,H.et al.: "The core and complementary sequence responsible for biological activity of the diapause hormone of the silkworm,Bombyx mori." Peptide. in press. (1994)
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[Publications] Shiomi,K.et al.: "Induction of non-diapause eggs by anti-diapause hormone rabbit serum injected into the diapause type of the silkworm,Bombyx mori." J.Insect Physiol. in press. (1994)
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[Publications] Su,Z.-H.et al.: "Molecular characterization of ovary trehalase of the silkworm,Bombyx mori and its transcriptional activation by diapause hormone." Biochim.Biophys.Acta. in press. (1994)
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[Publications] 山下興亜: "シルクのはなし(編者:小林勝利)(催眠薬で休眠:卵休眠とホルモンの正体)" 技報堂出版(東京), 179(58-63) (1993)
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[Publications] 山下興亜: "昆虫の季節適応と休眠(編者:竹田真木生・田中誠二)(カイコの卵休眠と休眠ホルモン)" 文一総合出版(東京), 450(338-347) (1993)