1994 Fiscal Year Annual Research Report
チオールサチライシンYaBの生産とペプチド連結への応用
Project/Area Number |
05556014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 眞狩 東京大学, 農学部, 教授 (60011889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門倉 広 東京大学, 農学部, 助手 (70224558)
依田 幸司 東京大学, 農学部, 教授 (20143406)
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Keywords | チオールサチライシンYaB / アルカリ性エラスターゼ / サチライシンBPN' / 枯草菌 / ペプチドリガーゼ / サチライシンYaB |
Research Abstract |
好アルカリ性バチルス属細菌YaB株の生産するアルカリ性エラスターゼはセリンプロテアーゼの一種で高アルカリ域に至適pHをもち、硬蛋白質エラスチンをよく分解する。アミノ酸配列上、サチライシンBPN'と約55%のホモロジーを有するのでサチライシンYaBとも呼ばれている。サチライシンBPN'の活性中心Ser221をCysに変換したものはプロテアーゼ活性を失うが、ペプチド結合能は保持しておりペプチドリガーゼとして注目されているが、その生産にはいくつかの難点があった。そこでサチライシンYaBを材料としチオールサチライシンYaBを生成する方法について検討した。サチライシン類はいずれもプロ配列を持つ前駆体として生成され、自触作用でプロ配列が切断される。またプロ配列は成熟型プロテアーゼの立体構造を決めるガイド配列になっている。そこでプロ配列と成熟体部分を分離して、同一菌体内で分泌生産させ菌体外に分泌されたところで活性型サチライシンが出来れば、チオールサチライシンも同様な手法で生成出来る筈である。枯草菌DB104株(菌体外プロテアーゼの2重欠損変異株)を宿主をして上記方法により活性型ソチライシンYaBの分泌生産に成功した。しかし同じ方法を用いても、チオールサチライシンYaBの生成には成功しなかった。この作成法では不安定であるためと思われる。 一方、サチライシンYaBのSer214をCysに変換した遺伝子を枯草菌WB600(菌体外プロテアーゼの6重欠損変異株)で発現させると52kDaの分子量を示すプロ体と思われる分子種が分泌されることを昨年度報告したが、これに微量の活性型サチライシンYaBを働かせると成熟型サイズの分子種が生じることから間違いなく52kDa分子種はプロ体であること、また成熟型サイズ分子種はチオールサチライシンYaBそのものであることが判明した。この方法でならチオールサチライシンYaBは安定に生成出来る。
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