1995 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性画分に生成される新規なPQQ酵素の開発と酵素診断への応用
Project/Area Number |
05556016
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Research Institution | Yamaguchi University, Faculty of Agriculture |
Principal Investigator |
足立 収生 山口大学, 農学部, 教授 (20027189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
品川 恵美子 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (20116726)
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Keywords | PQQ / キノプロテイン / アルコール定量 / 中性脂肪定量 / 酵素診断 |
Research Abstract |
ピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵素として含む酵素、キノプロテインは非可逆的に基質の酸化を触媒するので、バイオセンサーとしての利用が急速に広まってきた。従来、関係の分野で使用されてきた酵素の多くが、可逆的な反応を触媒するDNAまたはNADP依存性酵素であって、バイオセンサーとしては必ずしも適当な特性を具備しているとは言えなかった。即ち、過逆的な反応を触媒する酵素の場合には、反応平衡の関係から、生体試料中に微量に存在する物質を正確に定量するための終点測定法を適用することは、極めて難しいのが実状である。過逆性酵素を使用して、反応平衡に逆らって物質の定量を行うことには多くの克服困難な障害が存在する。 これに反して、キノプロテインには反応平衡もなく、一方向的に基質を酸化するので、終点測定法でも初速度法によっても、基質の存在量を正確に測定できることが最大の特徴である。これまで開発されたキノプロテインの多くが、細胞質膜に結合して存在しているために、水溶性酵素のように扱うことに難点があった。本研究では、微生物の水溶性画分にキノプロテインを生成する微生物をスクリーニングして、Pseudomonas putidaを選択した。本菌は種々な誘導基質を使用することで様々なキノプロテインを生成することを利用して、反応特性のすぐれたアルコール脱水素酵素及びグリセロール脱水素酵素を別々に生成する条件をを明らかにした。酵素の完全精製をおこない、酵素診断に応用するのに必要な要件についても検討した。本研究で得られた酵素の評価を、研究代表者らばかりでなく、広く内外に酵素試料を送付して、その特性の評価を委ねることとした。その結果、内外の研究者によって本酵素の特性は高く評価されるところとなってきた。ここに、新規な水溶性キノプロテインの酵素診断への可能性が大きく開かれることとなった。
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[Publications] H.Toyama: "Three distinct quinoprotein alcohol dehydrogenases from Pseudomones putida" J.Bacteriology. 177. 2442-2450 (1995)
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[Publications] H.Toyama: "PQQ and Quinoprotein" CAPRI PRINTER, 261 (1994)
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[Publications] K.Matsushita: "Advances in Microbial Physiology" Academic Press, 327 (1994)