1993 Fiscal Year Annual Research Report
アマノリ赤腐れ病病原菌の早期発見を目的としたモノクローナル抗体の開発とその応用
Project/Area Number |
05556036
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
天野 秀臣 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40024830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒島 幸一 三重県水産技術センター伊勢湾分場, 技師
野田 宏行 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024825)
前川 行幸 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90115733)
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Keywords | 赤腐れ病 / Pythium / モノクローナル抗体 / ノリ / アマノリ / 遊走子 / ハイブリドーマ |
Research Abstract |
1.抗体の大量生産:凍結貯蔵中の抗体生産株を解凍し、高密度細胞培養装置で抗体の大量生産を行ったが、RPMI 1640培地ではハイブリドーマの増殖が進まなかった。そこで、培地組成をダルベッコ変法イーグル培地にNCTC 109培地と非必須アミノ酸溶液及びピルビン酸ナトリウムを添加した培地に改良したところ、良好な増殖が認められ、大量の抗体を得ることができた。 2.海中での遊走子の出現状態の経時的測定:ノリ養殖海域の海水約1-7リットルを0.45μmのセルロースアセテート膜で濾過した。濾過膜はよく振り洗いし、洗液を赤腐れ菌用の合成培地中で15℃で2日間培養した。遠心分離後(3000rpm、15min)沈澱に一次抗体を反応させ、ついで二次抗体としてFITC標識抗マウス免疫グロブリンウサギ抗体を反応させて、蛍光顕微鏡で観察したところ、ノリ漁場のうち支柱柵漁場の海水中に常時赤腐れ菌の遊走子が大量に検出された。浮き流し漁場では遊走子は検出されなかった。 3.試験網による早期対策の実施:試験網6枚を毎年赤腐れ病のでる海域に張り込み養殖した。逐次ノリ葉体を採集し、上記のモノクローナル抗体で処理した後、顕微鏡観察を行なったところ、肉眼的に感染の認められる以前に初期感染が確認できた。通常の養殖網は赤腐れ病の蔓延により生産をあげることができなかったが、早期対策として網の冷凍入庫を行なったものについては、その後養殖網として使用可能であった。 4.ノリの品質調査:生産された試験ノリの品質は色、艶、呈味アミノ酸の含量ともに正常ノリと遜色がないことが判明した。 以上4項目の有機的連係による赤腐れ病予防システムの構築は可能であることが判明した。
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Research Products
(1 results)