1995 Fiscal Year Annual Research Report
植物生育光放射環境の分光調節による成長制御の実用化に関する研究
Project/Area Number |
05556046
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
相賀 一郎 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80109909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洞口 公俊 松下電器産業(株)照明研究所, プロジェクトリーダ
谷 晃 大阪府立大学, 農学部, 助手 (50240958)
村上 克介 大阪府立大学, 農学部, 助手 (00254441)
平野 高司 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20208838)
清田 信 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (90117995)
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Keywords | 分光放射計 / フォトダイオードアレー / 校正装置 / 余弦特性 / 植物群落 / シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は、前年度に開始した温室の熱環境に関するデータの収集と解析を行う予定であった。しかし、熱環境に関する計測が比較的成熟した技術であることに比較して、本研究の主要テーマである植物生育光放射環境に関する計測については他所での研究例が少なく、その高速化、校正技術の正確化などについて検討する必要があることがわかった。本年度はこの検討を優先し、植物栽培光放射環境計測に適用できる分光放射計の設計についての検討をおこなった。 フォトダイオードアレーを用いることにより、従来の分光放射計では数十秒から数分かかる植物栽培光放射環境計測の時間を2秒以内に短縮することに成功し、さらに校正装置、受光ヘッドの余弦特性などにも工夫を加え正確な測定に貢献できた。 また、この計測装置を用い、植物群落の光放射環境について計測とシミュレーションの比較を行った。葉の分光透過特性、反射特性を基準とした植物群落内光放射環境のシミュレーションは実測値と良く一致した。この結果は、本研究の目的である人工光、自然光の複合光環境における設定制御技術の基礎的知見として役立つものである。 本年度は本研究の最終年度であり、当初予定は人工光、自然光複合型植物栽培施設をシミュレートした光環境を作成し、実用的な複合光環境設定についての知見を収集する予定であったが、上記の群落特性の把握を先行させたため、当初予定の試験は明年以降に本研究で設けた施設を活用して行うことになろう。
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[Publications] 村上克介,他: "自然光の赤色光/遠赤色光光量子束比を変化させる植物成長制御用被覆材の開発(1)" 生物環境調節. 33. 31-36 (1995)
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[Publications] 崔 海信,他: "自然光の赤色光/遠赤色光光量子束比を変化させる植物成長制御用被覆材の開発(2)" 生物環境調節. 33. 37-41 (1995)
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[Publications] 村上克介,他: "光質環境調節による施設栽培植物の形態制御" 照明学会誌. 79. 149-154 (1995)
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[Publications] 村上克介: "光質による生育制御" 日本学術会議農業環境工学研究連絡委員会主催公開シンポジウム. 10-17 (1995)
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[Publications] 相賀一郎,他: "生物環境調節ハンドブック" 養賢堂, (1995)
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[Publications] 村上克介,他: "農業技術大系 花卉編 第3巻" 農文協, (1995)