1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05556047
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
菅野 長右エ門 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30011969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 哲哉 協同乳業(株)応用研究所, 研究員
安藤 剛 協同乳業(株)応用研究所, 主任研究員
飴谷 美智子 宇都宮大学, 農学部, 助手 (80240688)
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Keywords | 牛乳 / 乳脂肪球膜 / 保持殺菌 / アルカリ性ホスファターゼ / FAD-ピロホスファターゼ / りん脂質 / 乳化能 / 乳化活性 |
Research Abstract |
1)クリームを蒸留水で3回洗浄し、冷却後チャーニングし、乳脂肪球膜(MFGM)に富むバターミルクを回収し、未破壊脂肪球を除去し、限外濾過によって濃縮し、高温短時間法で殺菌し、これを凍結乾燥してMFGM標品を調製した。 2)MFGMの特性を代表し、かつ変動しにくいりん脂質含量とその組成、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動で観察できる主要糖タンパク質の組成を定量した。りん脂質組成はホスファチジルコリン、ホスファチジルエタンールアミン、スフィンゴミエリが主で、構成タンパク質もPAS-1、-3、-4、-5、-6、-7が主で、MFGMの特性を表している標品を調製することができた。 3)高温でのMFGM成分の変性を考慮し、MFGMを殺菌(73℃、15秒)し、殺菌の有無を確認するために、保持殺菌温度で不安定なアルカリ性ホスファターゼと高温殺菌温度で安定なFAD-ピロホスファターゼの活性を測定した。保持殺菌により、アルカリ性ホスファターゼは失活していたのに対して、FAD-ピロホスファターゼの活性の大部分は保持されていた。 4)MFGMの乳化能を評価するために、1%のMFGMを25%の乳脂肪と共に、一定条件下(pH7.0、45℃)でポリトロンホモジナイザーを用いて乳化し(19,000rpm、2分間撹拌)、得られたエマルションの乳化活性および粒子サイズ、その比表面積を測定した。その結果、MFGM標品は優れた乳化能と乳化安定性を有していた。
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