1993 Fiscal Year Annual Research Report
細菌・菌類病抵抗性トランスジェニック植物の創製に関する研究
Project/Area Number |
05556056
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
米山 勝美 明治大学, 農学部, 助教授 (50110060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安西 弘行 明治製菓(株), 農蓄薬研究所, 研究員
山口 勇 理化学研究所, 主任研究員
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Keywords | ファゼオロトキシン / OTCase / Pseudomonas / 毒素耐性遺伝子 |
Research Abstract |
1.非特異的病原毒素の単離・同定および毒素耐性遺伝子のクローニング 1)インゲンかさ枯病菌の産生する毒素ファゼオロトキシン(PHT)を対象に、生産菌自身のゲノムDMAよりPHT耐性遺伝子を探索・解析を行った結果、PHT非感受性OCTase遺伝子をクローニングすることに成功した。さらに、PCR法により、タバコのRuBisCOの小サブユニットのトランジットペプチド遺伝子とPHT非感受性OCTase遺伝子の5′領域を増幅・融合し、トランジットペプチドをもったOCTase遺伝子を作成した。この融合遺伝子を、植物発現ベクターpBI121のbeta-グルクロニダーゼ遺伝子と置換することでプラスミドpMY5を構築した。 2)植物病原細菌の生産する非特異的毒素、イネもみ枯細菌病菌およびキウイフルーツかいよう病菌の産生する病原毒素の分離・精製を行い、現在これら毒素の構造を決定するとともに、これらの粗毒素を用いて、生産菌自体のゲノムDNAから毒素耐性遺伝子をクローニング中である。 2.植物への遺伝子導入および植物体再生技術の確立 1)植物への遺伝子導入では、上記のPHT非感受性OCTase遺伝子をpBI121のbeta-グルクロニダーゼ遺伝子と置換することで植物導入用プラスミドpMP31を構築し、この遺伝子をアグロ感染法によりタバコ植物へ導入した結果、形質転換タバコはPHTに対し強い毒素耐性を示さなかった。そこで、現在PHT非感受性OCTaseを葉緑体へ移行させるためプラスミドpMY5を用いてタバコおよびキウイフルーツ植物を形質転換中である。 2)シバおよびムギなどの禾本科植物に関しては、現在エレクトロポレーション法によるカルスおよび胚組織への遺伝子導入法および植物体再生法の確立を行っている。
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