1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05557006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
彼末 一之 大阪大学, 医学部, 助教授 (50127213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩野 悟 三菱電機株式会社, 中央研究所, グループマネージャー
藤原 素子 大阪大学, 医学部, 助手 (30220198)
小阪 淳 大阪大学, 医学部, 助手 (40243216)
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Keywords | 光計測 / 培養細胞 / 視床下部 |
Research Abstract |
視床下部には体温,摂食,飲水,生殖,内分泌,免疫と種々の機能の神経機構が混在し、それらの有機的な統合によってホメオスタシスは維持されている.その統合がどのように実現されているかは重要な課題であるが,方法論的な難しさからほとんど研究はなされていない.視床下部のように複雑な系の解析には個々の細胞の活動と同時に回路網動態の観察が不可欠である.視床下部細胞は小型で記録が難しく,さらにホルモンや温度等への反応は持続時間が長い(数10分-数時間)ために,現在の電気生理学的手法では1つの標本からせいぜい数個のニューロン活動しか記録出来ず,神経回路網を解析するには程遠い状況である.本研究の目的は最近注目を集めている光学的な手法で多数の視床下部細胞の活動を同時に記録する系を確立することである.初年度は計測システムの開発と基本的な試験を行う.次年度はそれを視床下部細胞培養系に適用して,温度や性ホルモン等の刺激に応ずるニューロンがどのような回路網を形成しているかを解析する.平成5年度は塩野がすでに開発している.光計測システムで単一細胞レベルで活動が記録できるかを検討するために,視床下部の培養系を確立することを中心に実験を進めた.さらにより簡単で確実な系としてPC-12細胞の培養系も確立した.両者とも安定して培養ができるようになり.平成6年度はこれらの細胞系でpatch clamp法で膜電位を記録しながら光計測を行ない,細胞レベルでの光応答と膜電位を突き合わせて,このシステムの有用性を検討する予定である.
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